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職場での「プライバシー」危機

職場での「プライバシー」危機 「プライバシー」の欠如が社員の 労働意欲の低下につながる

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現在、世界中の企業が直面している新たな問題はいかに新 しい方法で情報を共有し、知識を集積するかということで す。コラボレーションは言うまでもなく、進歩とイノベーシ ョンのためのエンジンであることは間違いありません。今 日のワークプレイスは一見、人々が共同作業しやすいよう に思いますが、多くのリーダーたちはそのスピードと成果に は少々不満を持っています。次に何が来るかが不確かな時 代にあって、企業は新たな人材を雇い、トレンディなグルー プスペースを創り、最新のテクノロジーを導入し、ステップ アップのためのトレーニングを実施したりと、考えられるあ りとあらゆる努力をしています。しかし、実際には期待した ほどの利益がでていないというのです。

矛盾しているかもしれないが、コラボレーション活動を成 功させるためにやっきになることは逆に結果を悪くします。 最近の Steelcase の調査によると、仕事場でのコラボレー ションは価値創造にとって欠かせないものですが、過度な コラボレーションは禁物だと説いています。

世界中の多くのオフィスであまりにも多くの相互交流を重視 したがゆえに、プライバシーが軽視されている危機的状況 が起きています。そして、そのことが社員の創造性、生産性、 労働意欲、ウェルビーングに損失を与えているということ が明らかになっています

もちろん、適切なコラボレーションが社員同士の交流の活 発化を推進していることは事実ですが、同時に個々が1人 での作業に集中したり、充電できる1人での時間もサポート することは欠かせません。しかし、現実には今日の多くの ワークプレイスではプライバシーをサポートする適切な「場」 が提供されていません。

「職場でのプライバシーは人と一緒にいたいと思うのと同じ ように人間の本質的な欲求です」と語るのは Steelcase WorkSpace Futures 研究チームの部長である Donna Flynn 氏です。「よりコラボレーションに重点を置くように なると、人から離れ、1人になり、抱えている課題に対し て自分の持てる全力で熟考し、個としての意見を固めると いう時間、そして、自分をリラックスさせ、充電させるプラ イバシーな時間が必要になります。」

「私たちの研究から分かったことはオープンレイアウトを批 判して、昔に戻って個室がひとつの解決策と言っているわ けではないのです。もはや最適なひとつのセッティングな どないのです。すべてがバランスです。イノベーションと成 功を望むすべての企業にとっての解決策はプライバシーと コラボレーションをバランス良く取り入れることなのです。」

「プライバシー」 への渇望

かつてないほど、人々は仕事場にプライバシーがないこと に対する不満をブログやチャットルームで独り言のように 公開し始めています。オープンレイアウトのワークプレイス がどんなものか、中断される要素が多く、環境的にストレ スフルで1人での作業がまったくできないなど、多くが思考 に集中できないと語っています。そして、この状況を好機 と捉えた企業があります。ハイエンドなヘッドフォンを開発 するメーカーです。そのメーカーは「大好きな音楽を聞いた り、同僚の声の代わりに静寂な時間を。」と訴求する広告 を展開しました。しかし、その広告に足りなかったメッセ ージはヘッドフォンを使用することで、仕事に必要な会話 も遮断することになり、せっかくのオープンレイアウトの利 点さえも生かすことができないということです。音による邪 魔は大きな問題のほんの一部でしかないのです。

サイバースペース上でのチャットや広告が盛んになっている 一方、他からもワーカーのプライバシーにまつわる問題が 浮上しました。そして、C-スウィートと呼ばれる企業の C がつく役職たち(CEO、CFO、COO とか)に緊急課題と して警鐘を鳴らしました。

グローバルワークプレイスに関する Gallup の最新調査に よると、世界中の就業者のたった11% が労働意欲を持って、 仕事に充実を感じていると答え、63% は意欲が持てずに 企業の目標や成果に対して努力する気がないと回答してい ます。しかし、データを部分的に見ると、米国では少なく とも時間の 20% までを遠隔から仕事をしている人々が最も 労働意欲があることが分かりました。ここから明らかにな ることは労働意欲がある人は基本的に同僚とのコラボレー ションや相互交流、そして、遠隔からの1人での時間の両 方をバランスよく取り入れていることでした。しかし、多く の企業リーダーたちはプライバシーが必要な時に社員を家 に戻すのは決して効率的ではなく、イノベーションを加速す るというよりはむしろ人々を刺激し、つなげてきた絆を弱 め、失速させてしまうのではないかと感じているのです。

さらに、グローバル市場調査会社である IPSOS が実施し たヨーロッパ、米国、アメリカの10,500 人以上のワーカ ーを対象とした Steelcase の調査でも、職場でのプライバ シー空間の欠如は問題提起されました。調査結果ではワー カーは集中でき、中断されずにチームで作業を遂行でき、 作業内容に応じて働く「場」を選びたいと望んでいるにも 関わらず、企業サイドはまだそのニーズに対応できていな いことが明らかになっています。

しかしながら、プライバシーが確保され、ワークプレイス にも満足しているワーカーの11% の人は仕事に対して意欲 を持っているということです。その反対に、ワークプレイス に満足しない人の多くが意欲を持てないと答えています。 この研究によって Steelcase の研究員が結論づけたこと、 それはワークプレイスが社員の労働意欲に非常に大きく影 響を及ぼすということでした。


ワークプレイスへの満足度が 社員の労働意欲を強める

グローバル市場調査会社である IPSOS によって 実施された Steelcase 調査ではワークプレイス の満足度と労働意欲が強い相関関係にあること が明らかになりました。

回答者のたった11% がワーク環境にかなり満足 し、その多くが仕事に意欲を感じていました。 これらの回答者がワークプレイスに望むものは:

98% 容易に集中できる
97% 自由に表現し、 アイディアを共有できる
95% 中断されずに チーム作業ができる
88% 作業内容にあわせてオフィス内で 働く場所を選択できる
95% リラックスし、落ち着ける
97% 会社や企業文化への 帰属意識を感じられる

労働意欲の欠如 からくる損失

USA $4500 – 5500億ドル
Germany €1120 – 1380億ユーロ
Australia $548億ドル
United Kingdom £52 – 700億ポンド

Gallup によるグローバル ワークプレイス報告書(2013 年度)


外的刺激の 蔓延化

ワークプレイスの満足度と労働意欲に影響を与える状況の 一つは刺激が多いワーク環境に常に身を置かなければなら ない場合です。全米ベストセラー本、「Quiet 静寂 : 内向 型人間の時代」の著者である Susan Cain(スーザン ケイ ン)氏はその本の中で、多くの人は人が周りにいない時に 最も実力を発揮すると説明しています。それにも関わらず、 「集団思考」という造語がつくられるほどチームでの作業が 重視される環境が多く創られました。その中で人間は仲間 からの圧力に屈したり、孤立して他者と異なる視点でモノ を見るのではなく、他者に追従するという状態に陥ってい ると述べています。

Cain 氏は「対面式のコラボレーションを止めることではな く、その仕方を変えること」だと説いています。つまり、 オープンレイアウトだけを採用するのではなく、人々が万 華鏡のように変化する相互作用の中で、自由に動きながら 仕事ができる環境を創りだすということだと述べています。 そうすれば、集中したい時、ただ1人でいたい時にはいつ でもプライバシーのある空間に身を置くことが出来るので す。

パフォーマンスマネジメントのコンサルタントであり、「Your Brain at Work 仕事脳」の著者でもある David Rock 氏 は神経科学の最新の発見とし、ほとんどのワーカーは毎日 押し寄せる莫大な情報量や外的刺激などの蔓延化に苦しん でいると述べています。脳科学的には思考や創造性を担う 最高中枢である人間の前頭前野は小さく、エネルギー不足 になりがちで、簡単に活動低下になりやすい部位といわれ ています。多くの研究によるとマルチタスクはあくまでも希 望的観測で、実際には人間は一度にひとつのことをするこ としかできないことが明らかになっています。

「人間が情報共有やコラボレーションのソフト開発やその手 法、ツールなどの構築に長けてくると、文字通り光の速度 で情報が入り、情報のフローやコミュニケーションの効率 化を図るゆえに慎重に意思決定をする能力が妨げられた状 態になります。朝のメールのチェックも多くの人が通常、脳 がおそらく、その処理に 1-2 日かかるものを 30 分で処理 しなければ状態に置かれています。このように、私たちは 間違いなく、自分たちの容量の限界に挑戦しているのです。」 と Rock 氏は述べています。

オフィスワーカーは 3 分毎にネット、リアルの両方から邪魔 が入り、仕事が中断されています。このことは破壊的波及 効果をもたらします。最近のカリフォルニア大学で行われた 研究によると、人間は一度仕事を中断すると、最初の深く 没入した状態に戻るには 23 分ほどかかるということが分か っています。

問題は衝撃をコントロールする脳回路、一般的に言われる 脳のブレーキシステムというものは容易に減速しやすく、一 旦、何かに気をとられると、それを元の状態に戻すのは大 変難しいと Rock 氏は言います。例えとして、オートバイで 自分の足をブレーキとして使った場合、「あなたの足を使う のは駆動し始めるまでは効果を発します。それは気が散る のと似ています。駆動し始めると、足でのブレーキはあまり 効かなくなります。」

開放的すぎるスペース?

周囲の空間を把握する人間の空間認識能力は生物が 生存していくための重要な役割を果たしています。人 間が進化してきた過去から引きずってきたものは今日 の精神医学の分野のルーツにもなっています。

「人は周りで何が起きているかを明確に把握できる 様々な場所を望んでいます。例えば、グループの一員 として幅広い機能を備えたオープンな場所、また、 必要に応じて人から離れて仕事ができる避難場所な どです。」と Coalesse ブランドのデザイン研究員、 Meike Toepfer Tayler 氏は語っています。言い換え れば、私たちの祖先たちにとっての溜まり場や洞穴が 今日の集会所やアンクレイブと呼ばれる洞窟のような 隠れエリアになったと考えてもいいでしょう。両方の 要素を必要としていたことは昔と少しも変わらず、人 間の本質的欲求のようなものだったのです。

“外部からの刺激で気が散るこ と、例えば、視覚的、音響的 問題は環境の中である程度はコ ントロールが可能です。しかし、 内面での集中力が欠け、それを どうやってコントロールするか は個人差があります。私たちの 調査では人によって、邪魔を排 除し、自分を集中させる方法は 様々だということが分かってい ます。”

Donna Flynn

多くの企業で起きていることは、オープンスペースを 強調しすぎて、十分なプライベートスペースがないこ とです。

「企業の多くはプライベートとオープンスペースをバラ ンスよく配置する方法を模索しています。今日のワー クプレイスはあまりにもオープンすぎて、露出過多に 感じる社員も多く、そのことが最終的には社員の労 働意欲や身体的、認知的、情緒的ウェルビーングに 大きく関わってくるという事実です。」と Flynn 氏は 述べています。企業の多くが「私たちはスペースをオ ープンにしすぎてしまったのか、それともやり方が適 切でなかったのか?」 、「決まったやり方はあるのか?」 、 「どのようなワークプレイスを創造する必要があるの か?」という質問を矢継ぎ早にします。

人間の本質的な問題とビジネス上の問題がありなが らも、プライバシーへのニーズはますます高くなり、 効果的なワークプレイスデザインへの新たな手法が 求められています。

Steelcase の研究員によると、ほとんどの人が「プライバ シー」というと他者によって煩わされるものであると考えて いますが、実はそれは自分でコントロールできるものなの です。「私たちがプライバシーについて研究し始めたのは 80 年代初頭で、その当時は主には空間を定義するもので した。90 年代には、物理的セッティングを 4 つのエリア、 視覚、音響、所有、情報を統合してトータルで考えるよう になりました。つまり、任意のセッティングのプライバシー は見るもの、聞くもの、空間の区切り方、情報の種類によ って決定されるというものでした。

「しかし、現在、私たちはリアル、ネットの両方で生活して います。テクノロジーは人々をより近づけたと同時に、個 人のプライバシーを脅かし、人間の心配事や感性を悪化さ せたりもします。私たちはプライバシーに関する人間の欲 求や今日の働き方にとって欠かせないプライバシーとは一 体どういうものかをもっと理解したいと考えたのです。そ れにはより深い観察と今までとは異なる視点でものを 見 ることが 要求されました。」と語るのは Steelcase WorkSpace Futures チ ームの 研 究 メンバーであ る、 Melanie Redman 氏です。最近、米国、ヨーロッパ、ア ジアで様々な調査を実施し、多くの人をインタビュー、観 察した人間です。


物理的セッティングに おける「プライバシー」

Steelcase の調査によると、人 はスペースが果たして自分が望 むものかどうかを判断する基準 として、下記の 4 つの項目でス ペースを直感的に評価していま す:

音響プライバシー ノイズによって邪魔されない。 また他の人の邪魔にならない 程度に会話ができる
視覚プライバシー 他の人に見られたり、視覚的 刺激から逃れられる
所有プライバシー スペースを自分のものとして所 有し、管理する(嗅覚もその 一部)
情報プライバシー アナログ/デジタルコンテンツ を保持できる。また、極秘会 話も可能である


その結果、Steelcase の研究員たちはまず、その基本とな る心理的背景を定義し、個人のプライバシーを 2 つの領域 に分類しました。まずは他人が自分について知っている「情 報のコントロール」、そして気が散ることから自分を管理す る「刺激のコントロール」というものでした。そして、彼ら はこれらの領域がグローバルに共通するパターンであるこ とも発見しました。今日のワーカーは頻繁に自分を表現し たり、隠したりしながら、また、刺激を求めたり、排除し たりしながら仕事をしています。

「私たちが最も驚いたことはプライバシーは世界共通の欲 求であるということでした。例えば、中国のような集団主 義的文化の国は個人主義の強い米国と比べてプライバシー への欲求度が少ないと思っていました。しかし、実際は世 界中のどの国の人々もプライバシーを同様に求めていること が明らかになりました。文化によってその必要度やその理 由も異なり、そこの文化が許す範囲内で求められています。 しかし、プライバシーへの欲求は仕事場であろうとどこで あろうと、人と一緒にいたいという欲求と同じぐらいに、人 間にとっては重要な要素であることが分かっています。」と Steelcase の中国市場を担当した研究員、Wenli Wang 氏は述べています

欧米では主に気が散ることから自分を保護するためにプラ イバシーを求めるのに対して、中国では情報や自分自身を 周囲から守るためということが主な動機になります。「中国 でのプライバシーという定義は欧米のそれとは同じではな いのです。欧米では刺激に対するコントロール以上のもの であることが多いですが、中国ではむしろ、それは情報に 対するコントロールであることが多く、周りから自分が持つ 情報を守り、人の目を避けることを意味します。こういう背 景がある中で、ワークプレイスを創造するとなるとそれなり に課題も多いのです。スペースの人口密度も高く、私的な 電話や個人的な会話ができる場所も決して多くはありませ ん。」と Wang 氏は言います。

プライバシー: 時を超越した問題

仕事場でのプライバシーに関する問題は決して最近浮上し たものではありません。実際、オフィスのデザインコンセプ トはここ何十年もの間揺れ動いていました。オープンなシ ステム家具が開発されたのは 60 年代後半で、急成長する 労働力を想定し、ぎっしりデスクが詰まった大部屋で働い ていた時よりもよりプライバシーを提供する方法として考え られたものです。もちろん、そのことは不動産も有効活用し、 コスト削減にも貢献しました。そして、このアプローチ方 法はその後も進化しつづけました。その当時、米国の多く の企業が採用したのがキュービクルと呼ばれるアプローチ で、ヒエラルキー型組織をフラットにし、機能重視の個人 を重視し、コラボレーションを向上し、チーム主導型組織 をつくることを目的としていました。

1978 年にワークプレイスでの進化するニーズと期待をより 深く理 解するために、Steelcase は Louis Harris and Associates という調査会社に委託して、オフィスワーカー、 設計デザイナーなどを対象に研究調査を実施しました。結 果としてはプライバシーはオフィスワーカーにとっても一般 的にも非常に重要な要素でそれがオフィス環境の満足度に 関係していることが分かりました。プライバシーの問題は その後も引き続き課題として常に上げられ、1991 年の別 の研究ではその状態に少し変化が見え始めたのです。オフ ィスワーカーは時間の半分以上を1人で作業をしているとい う状況の中で、企業はよりスピーディにより多くの成果を導 きだすことが求められ、その方法としてコラボレーション の重要性が浮上し、普及していくことになります。1991 年 には多くのワーカーが集い、インフォーマルに対話をする 場所がある(1989 年には 51% vs 46%)一方、使用でき る特定のプロジェクトエリアは 57% でした。

90 年代にはコラボレーションがますます定着し、プライバ シー空間がどんどん削減されるようになりました。2000 年に Steelcase が実施したもう一つの調査ではほぼ半分 (48.9%)のワーカーが同僚ともっとつながりたいと感じて おり、プライバシーが少なすぎると感じたワーカーはたった の 27% でした。更に、10 人に 1人(9.6%)はオフィス環 境にプライバシー空間が多すぎるとも回答していました。 90 年代以降、IT やクリエイティブ業界を中心にコラボレ ーションが生み出す価値が広く受け入れられていくようにな ります。特にオランダのような平等主義が根強い国では、 企業の経営陣は個室を自ら捨て、より容易な情報共有とス ピーディな意思決定を推進するようになりました。

国際ファシリティマネジメント協会によると、米国では現在、 オフィススペースの約 70% はオープンレイアウトを採用し ています。デスクはよりオープンに、その面積はより小さく なってきました。CoreNet グローバルによると、米国では 1人あたりの専有面積は 1970 年代に平均 500 平方フィー トだったものが、2010 年には 225 平方フィート、2012 年には 176 平方フィートに減少してきています。そして、 2017 年には 100 を割ると予想しています。また、パネル 高も今まで標準とされていた1.52-1.83m から1.22m 以 下にまで低くなっています。そして、今日の多くのオフィス ではパネルをなくして、自席ではなく、オープンな「ブルペン」 や「ホットデスキング」と呼ばれる共有用のベンチシステム が広く使用されています。

テクノロジーは仕事のモバイル化を加速させる一方、まだ 世界中の大多数のワーカーはオフィスで働いていますが、 その個人用スペースは狭くなるばかりで、プライバシーの あるエリアはほとんどないといっても過言ではありません。 そして、仕事は今日の経済を支配する創造性とイノベーショ ンを育成するために、ますますその複雑さを増し、スピー ドが要求されるようになっています。

すべての人に常に適した たった1つのソリューションが あるわけではありません。 プライバシーの問題は 多くの異なるニーズや行動と 複雑にからんでいます。

Melanie Redman

1960 年代初頭以降、人々が文化の延長としてスペー スをどうやって使用していたかの徹底した研究がなさ れました。米国の文化人類学者の Edward T. Hall 氏 は人間のプロクセミクスという「知覚文化距離」とい う意味の造語を発表しました。それは人間の空間的 距離とコミュニケーションや行動、相互作用に及ぼす 影響に関する研究で非言語コミュニケーションという 補助的なカテゴリーを確立しました。Hall 氏は「自己」 と「他者」の間の距離に基づく空間ゾーンを分類しま した:密接距離、個体距離、社会距離、公衆距離の 4 つで各ゾーンが異なる状況を持ち、個体距離は人間 が他人と仕事をする際に快適と感じる距離です。具体 的距離は様々であり、各国の文化的特質の違いがこ のプロクセミクスで説明が出来るのではないかと説明 しています。例えば、米国では密接な距離は身体か ら約 46cm で、個体距離は約 1.2m で、社会距離は 約 3.7m、そして公衆距離はそれ以上になります。

今日のワーク環境でのストレスの一部はこれらの個体 距離であるパーソナルなスペースが侵害されているこ とからくるにちがいないのです。多くの人が日常の中 で同僚とかなり密接な距離で働く環境の中に身を置 いています。この現象はリアルな空間の中だけでなく、 ほぼ腕の長さと等しい距離で会話をする携帯デバイス での動画チャットにも見られます。これと対照的に、 遠隔に分散した同僚と共有テーブルをはさんでのビデ オ会議のレイアウトはそれよりもより自然で快適と言 えます。

私は米国南部で育ち、現在、 上海に住んでいるものとして、 国によって人はいかに異なり、 また似ているのかを目の当た りにしています。調査を開始 する以前は中国は集団主義 国家であることから、プライ バシーを重んじない文化と想 定していました。しかし、調 査結果はまるで反対のことを 示唆していました。プライバ シーへの欲求は万国共通な のです。但し、プライバシー に対する考え方が米国とは違 うということでした。

Wenli Wang

「プライバシーの問題とその達成方法には文化的違い がありますが、Steelcase が多くのグローバルカン パニーと仕事をする中で明らかになったことは国ベー スの規範は企業の規約に勝るということです。もし、 ある企業がコラボレーションに重きをおき、各地域の 文化を全く考慮しないでオープンなコラボレーション 環境を創出した場合、地域の社員がその新しいスペ ースを好きになれないということは起こりうるので す。」と Redman 氏は述べています。

どんな文化でも究極的にはプライバシーは「個」に通 じています。つまり、個々人が求めるプライバシーと いうものはその人の人格、その時の気分、作業中の 仕事によるということです。「ある日のクリエイティブ 作業に適したある特定の環境が次の日には気が散る 環境でしかない場合もあります。」と Redman 氏は 加えています。また、Steelcase の他の調査でもこ う強調しています。「よく関連づけられる精神的プラ イバシーと身体的プライバシーは必ずしも類義語で はないのです。人はよく自分のスペースということを 言いますが、それは他者の邪魔なしに自由で安心し ていられるスペースということです。」

プライバシーに 関する 5 つの発見

「人がプライバシーを欲しいと言った場合、それはか なり異なるものを意味する場合があります。人のプラ イバシーに対する欲求を深く探ることで 5 つの重要な 発見にたどり着きました。私たちは個人のプライバシ ー体験に関する研究調査の成果として 5 つの定義を 設定しました。まずはこの 5 つの定義をよく理解する ことで人間のプライバシーに関するニーズへの深い理 解を得ることができます。」と Redman 氏は述べてい ます。

学術的研究での発見と Steelcase の研究を統合する ことでこれらの 5 つのプライバシー領域を特定し、定 義することができました。

1. 戦略的に自分を消す: 名前を伏せる / 見えなくする
プライバシー的観点から言うと、自分を見えなくする ことが鍵になります。そこには社会の監視から発生す る制約から解放されるという意味もあります。自分を 見えなくすることで人は仕事を中断されずに、自分を 新たな方法で表現し、行動することができます。それ はいつ、どうやって自分を見えなくするかという極め て戦略的な個人的選択になります。例えば、人々が 仕事を集中してやり遂げるためにカフェに足を運ぶ 時、それはワークプレイスでの邪魔を避けるために行 くことも多いはずです。カフェでの見知らぬ人の中に 溶け込んだ時の低レベルの刺激はまさに気をそらさ ずに思考に没入することを可能にします。

例:

  • 誰にも知られない存在としてカフェや他の場所へ行く
  • アバター(自分の分身)やハンドルネームを介してオ ンライン上で議論する

2. チョイスしながら自分をだす: 他者から見えるものを選ぶ

人間の内的思考や感情、極めて個人的な情報、そし て風変わりな行動などは自分が自ら選んで明らかにす るものです。通常、外に出す情報は人や会社によって 使い分けています。自己のアイデンティティの形成と は自分とは異なる人々に対して異なった自分を表現す るものであり、社会科学の分野では確立された概念 の一つです。個人情報が様々な新しいメディアで共有 されている昨今、外に出す情報に対しては新たな疑 問を提起しています。情報を共有するには利益と同 時にリスクも伴います。文化、性別、性格などによっ て自然に出来たり、躊躇したり、むしろ好んでしたり とその選択もさまざまです。例えば、中国のオフィス での仮眠やフランスでのランチにワイン飲む習慣な ど、ある国では受け入れられる行動も他の地域では ひんしゅくを買うことがあるのです

例:

  • ビデオ会議の代わりに電話会議を選ぶ
  • デスク周りに置くパーソナルアイテムを選ぶ

3. 同僚と個人的な状況について話す 極秘事項の共有

プライバシーとはただ単にひとりでいることではあり ません。私たちが個人情報や感情を他者と共有すると きに、情報を共有するものが他者には公開しないとい う認識があるなど、その人との信頼性も考慮しなけれ ばならない要素です。日常、2-3 名の小規模なグルー プで協議するというような場合が多くあります。しか し、現在の多くのオープンレイアウトのオフィスでは予 約をしないで使用できるスペースがないというのも現 実です。これが一般的だとすると好機を逃しているこ とにもなります。

例:

  • 同僚と個人的な状況について話す
  • 上司と勤務評価をする

4. 意識的に自分を保護する: 自己保護

自分を守ることは必ずしも身体的なことだけとは限り ません。そこには心理的な要素も含まれています。例 えば、家に侵入された後に感じる個人的スペースに侵 略されたような感情は自分のテリトリーと自我を密接 につなぐものです。私たちはこのような侵入から身を 守るために、積極的な措置を講じています。窃盗より ショッキングでないにしても、人々は仕事場でも侵略 されるような感情を経験し、邪魔や覗き見されたりす ることから自分を守らなければならない状況に置かれ ることがあります。また、自己保護することによって、 集団的思考から一歩離れて全く新しい視点を養うこと もあります。ですから、グループはコラボレーション するために集い、直面している課題に対して、より有 意義な考え方を持ち込むのが個人であるといっても過 言ではありません。

例:

  • 音の邪魔をブロックするためにヘッドフォンを使用す る
  • 壁に背中をもたれかけて座る
  • コンピュータ画面を見られないように工夫する

5. 意図的に孤独になる: 距離をおく

孤立とは心の状態をさします。他者が周りにいる時も 他者から切り離されて味方や理解者がいない状態を 孤立と感じます。しかし、孤独はより物理的なことが 多いと言われています。意識的に他者から離れ、集中 したり、充電したり、感情を表現したり、内省したり することです。特に米国など個人主義が強い国では孤 独は当たり前のこととして捉えられています。中国の ような集団主義国家でさえ1人でいることは人間の本 質的な欲求と考えられています。

例:

  • アンクレイブを使用する
  • 外にでる
  • 大きな部屋の空いているコーナー部分で仕事をする

プライバシーという枠組み

研究員たちが多くの研究を統合した結果、明らかになった ことはワークプレイスでのプライバシーのニーズをサポート するには多様な環境が要求されるというものでした。

今までは個室に対して主にプライバシーを考える傾向があ りました。今までのこの支配的な考え方はワークプレイス のデザインにも大きな影響を及ぼしてきました。私たちの 研究によると、人は様々な理由と様々な時間枠でプライバ シーを求めているのです。それは時に 1 時間座りながら集 中できる場所であったり、気の狂うような会議の間の短い 20 分を使って静かな場所に身を置き、心を静めたり、冷 静に考えたりというプライバシーを必要としているというこ とです。私たちはオフィスの中でこのプライバシーのニーズ が高まっていることに着目し、必要に応じたパーソナル空 間やユーザー自らがパーソナル化できるさまざまなスペース を提供することでオフィス全体の中のパーソナル空間を改 革しています。そして、仕事場で社員が自由に自分で働く 場を選択し、コントロールできるようにすることは社員のウ ェルビーングと生産性向上のための鍵となります。」と Dona Flynn 氏は述べています。

「プライバシー空間とは必ずしも四面を壁で囲んだドアがあ る部屋ということに限りません。二面の壁でもオープンレイ アウトでもプライバシーを確保することは十分に可能です。 問題はユーザーがどのような環境を求めているかというこ とです。」と Redman 氏は言います。

「コラボレーションが定着する中で 見過ごされてきたもの、それは ひとりの時間の大切さです。」

Donna Flynn

個室でなくても、ユーザーのニーズに対応したインフォーマ ルなセッティングは一般的な人間味のない環境よりもより パーソナルな雰囲気を創出します。例えば、間仕切り機能 も併せ持つハイバックのラウンジチェアは半分プライバシ ーが確保できる空間を創ることができます。

多くのワーカーにとって、プライバシーの必要性はまるで 1 日の間の潮の満ち引きのように、彼らはプライバシーレベ ルの低いコラボレーションやメールチェックのようなものか ら、高度なプライバシーが要求されるデータ分析や創造プ ロセスのような作業の間を行き来しながら仕事をこなして います。ハンガリー出身の米国の心理学者である Mihaly Csikszentmihalyi(ミハイル チクセントミハイ)博士は同 氏が提唱した「フロー理論」の中で人間は我を忘れてもの ごとに完全に浸りきると日常の決まった作業をしていると は思えないような精神状態、つまり 「フロー」の状態にな ると説明しています。もちろん、個人やチームにとって、プ ライバシーだけではその「フロー」状態をつくりだすことは できませんが、プライバシーが欠けてもその達成は困難で あることは確かなのです。

人は個人の達成目標に向かって1人で仕事に打ち込むと同 じぐらい、コラボレーションも同時に欲しています。すべて の時間を1人で、またはコラボレーションしながら仕事をす ることはタバコが健康に害をもたらすように、その成果に マイナスの影響を与えるのだと David Rock 氏は主張して います。

「ソーシャルな交流は脳の活性化につながり、人間を正常 な状態で維持させるための重要な行動のひとつです。」と Rock 氏は言います。

何故なら、脳は社会的機能を持ち合わせているからです。 例えば、誰かが自分のデスクを通りかかったら、顔を上げ るのは無条件に反応する動作です。デスクを通りかかる人 やメールを受信したりすることは避けようがありません。で すから、これらの気を散らすものを遮断し、深く集中でき る時間とスペースが必要になるのです。私たちが考える真 のコラボレーションとはグループとして集まり、思考を視覚 化し、一度グループと離れて1人で静かに作業をし、またグ ループに戻るというものです。熟考し、グループになり、 熟考し、グループになるという繰り返し作業が理想的です。

何故なら、プライバシーと一体感に対する人間の欲求はま るで陰と陽のように、異なるものが補助的に補いあってい る状態で、それにはたったひとつの最適なワークプレイス が存在するというわけにはいきません。

「コラボレーションが定着する中で見過ごされてきたもの、 それはコラボレーションをしながらもひとりの時間の大切 さです。」と Flynn 氏は語っています。 「このことで必ずしもコラボレーションの価値が減少するわ けではありません。私たちの調査では問題を解決するのに 多彩な人間が集まれば、より質の高いソリューションを見 いだすことができることが分かっています。ただ、今のよう に1日のうちの 8 ~ 10 時間もコラボレーションに割く方法 は無駄に虚脱感につながるだけだということです。ワーカ ーをサポートする方法は1人の時間とコラボレーションの間 を行き来できる方法を提供すること、つまり、問題を考え るために集い、アイディアを温めるために1人になるという 一定のリズムをつくってあげることです。それがまさに人間 の中に備わった本質的なリズムでもあるのです。」と Flynn 氏は続けます。

「この極端な 2 つの間のバランスを見つけることが極めて重 要です。オフィスがたどり着く先はまさにこのバランスです。 人はテクノロジーのさらなる進化によってますますモバイル になることは間違いありません。このことによってワーカー が1人で意思決定をするという状況を加速化させることにな ります。」

ワーカーをサポートする方法は1 人の時間とコラボレーションの間 を行き来できる方法を提供するこ と、つまり、問題を考えるために 集い、アイディアを温めるために 1人になるという一定のリズムを つくってあげることです。

Donna Flynn

相互に作用し、循環する システムを創造する

今日、企業にとっての課題はワークプレイスでのプラ イバシーのニーズの高まりを理解することです。特に ネット接続や対面でのつながりに重きを置きすぎて、 今日のワーカーは溢れる情報の渦の中で仕事をこなす ことを強いられています。広い範囲でのコラボレーシ ョンが重要視されると同時に、1人になる避難場所の 必要性も増してきているのは当然です。

人間は本来、社会的動物で輪 から排除されることを好みませ ん。ですからグループ作業の場 では人間の脳は簡単に意見を変 えて、他の人に同意するように 動く傾向があります。長時間コ ラボレーションをすることのリス クはまさにここにあります。1人 でいる時間を与えることは「個」 としての自分の考えを固め、そ れをグループに持ち帰ることが できるようになり、そのプロセ スが非常に重要になってきてい ます。

Melanie Redman

プライバシーとコラボレーションの適切なバランスをと ることは基本的に個人が働く場を選択し、コントロー ルする権限を与えることです。

コラボレーションとプライバシーの適切なバランスを 提供するためにはたったひとつのソリューションが存 在しているわけではありません。ワーカーは身体的、 認知的、情緒的なニーズをサポートする、相互に連結 するゾーンやセッティングが組合わさった「場のパレッ ト」の中から、働く「場」を選択することで、他者か ら刺激やエネルギーをもらったり、プライバシーのあ る静寂空間の中で自分を取り戻すこともできるように なります。

最後に、ワークプレイスではチームメンバーが直接リ アルに会ったり、ビデオ会議システムなどのコミュニケ ーションツールを通して、遠隔でも簡単に対面するこ とができる「存在のパレット」も考慮する必要があり ます。これによって、コラボレーションとプライバシー への欲求への境界線がつながり、うまくバランスを図 ることができるようになります。

研究から導きだされた発見が示唆していること。それ は仕事を充実させるには1人でも他者と共同でも、人 が最大限に能力を発揮できる環境の中で仕事をする ことが出来るようにすることです。世界の動向として は、プライバシーはもはや個室に代表されるような肩 書きや報酬のシンボルとして提供されるべきではない ということです。その代わりに、ワークプレイス中に 全員がプライバシーを必要な時に使用できる多くの 「場」を提供することです。企業はそのことから生ま れる、労働意欲の向上、より強固なコラボレーション、 高い生産性、ウェルビーングの改善など、それによっ てもたらされるさまざまな効果をきちんと認識するべ きです。それが最終的には企業の成功へとつながるイ ノベーションを引き起こすことにもなるのですから。


プライバシーのための ソリューション

不動産を有効活用し、社員にチョイスとコントロールを与える

ワークプレイスでのプライバシーは普遍的な人間の欲求で もありますが、スペースを適切にデザインするためにはユ ーザーの個人的嗜好、空間や文化的規範も重要要素にな ります。

異なる「場」を創造することは作業内容や気分、性格に基 づいて最適な「場」を社員がチョイス出来るようにすること です。まずは状況を把握しなければなりません。同じプラ イバシー用セッティングでも近隣環境、設置場所、囲まれ ている露出のレベルなどによって、全く異なるワーク経験 を提供することになります。状況判断はある特定の場所で の最適な空間の区切り方やスペースの使用頻度などを決定 します。また、地域的、組織的両ベースでの文化的な価値 や規範は尊重され、デザインに反映されるべき要素のひと つです。

そして、プライベートスペースとの境界エリアは1人で働く のか、それともチームで働くのかでその形態はオープンに するのか、囲むのか、閉じるのかが決定されることになり ます。1人になる逃げ場としてのスペースは個人的な会話 や集中作業で使用するなどワークプレイスでのプライバシ ーのための不可欠な場として威力を発揮します。プライバ シーの欲求を幅広く満たすには個人はもちろん、ペアや少 人数でのグループワークにも対応することも大事です。ま た、スペースを計画する際にはこれらのプライバシースペー スが適切なプロトコルによって使用方法が明確にされた時 に初めて、意図をもった “恊働” スペースとして機能するこ とになります。

プライバシーを分散させる フレームワーク

この研究に触発されるかたちで、私たちはワークプレイス のレイアウト上でのプライバシー問題を解決するために、い くつかの方法を見いだしました。しかし、その最適な方法 も企業の文化やモバイル化戦略、プロセス、規範のような プロトコルや保有不動産によっても大きく異なってきます:

分散型モデル
オフィス中に組み込まれた分散したプライ バシースペースは要求に応じてプライバシーを確保できる 「オンデマンドプライバシー」環境を提供します。そこで はワーカーは利便性の高い「エスケープ」と呼ばれるスペ ースでコラボレーションと集中ワークを切り替えながら仕 事を遂行することができます。動線の近くに設置すること が一番重要で、その次に質と種類の多彩性が考慮事項と してあげられます。

分散型モデル.

ゾーン型モデル
隔離されたゾーンに設けることで図書館 の静寂ゾーンのように特別なプライバシーハブとして位置 づけることができます。この方法は予定された、長期間 の間プライバシーが必要な場合に最適です。そのスペー スを上手く機能させるにはバリエーションの他に、プロト コルと呼ばれる会社の意図が盛り込まれたスペースの使 用方法をユーザーが確実に理解して守ることが鍵になり ます。

ゾーン型モデル.

分散型とゾーン型の両方の利点を上手く取り入れることも できます。つまり、オンデマンドプライバシーというアクセ スの利便性と前もって計画が可能な保証されたゾーン型プ ライバシーの融合です。

集中用 アンクレイブ

目の前の作業に集中させるために、オープンス ペースでのノイズなどが聞こえなくするように 工夫することは不可欠です。 ゾーンの中に組み込まれたこの集中共有スペ ースは必要な時にいつでも、また事前に予約 することで短時間、長時間両方での利用が可 能です。ユーザーは視覚的プライバシー、室温、 照明、音響を自分で調節できます。 ユーザーは座る、立つの姿勢を自分で選択で き、優れた人間工学性能を持つチェアは様々 な姿勢を支えます。収納は身近に配置され、 資料等をすぐに手元にとれるように工夫され ています。

Private Enclaves, The Privacy Crisis, 360 Magazine

  • 境界部分 : 閉じられた
  • プライバシーモード : 深い集中
  • 姿勢 : タスク, スツール / 立つ
  • プライバシー定義 : 自分をだす , 意識的に自分を保護する
  • 使用製品: Gesture タスクチェア, Airtouch デスクシステム, Coalesse® DenizenTM 収納, BFree ラウンジ, Gesture スツール, Coalesse® Enea テーブル, Sidewalk 収納

プロジェクト スペース

ペアでの作業のための共有キャンプ。1人で集 中することとラウンジセッティングでカジュア ルに他者と共同作業することを瞬時にシフトで きるこのスペースは素早くいつでも利用できる 環境を提供しています。

このスペースは共有スペースとして短時間でも 長時間でもユーザーは自由に使用できます。 シームレスに統合されたテクノロジーで情報共 有も用意で、ユーザーはスペースを所有し、環 境をコントロールすることができます。

ラウンジセッティングはカジュアルな雰囲気で のコラボレーションを促進し、スペースに間仕 切りを配置することで情報の共有化とチームで の集中した作業を最大限にサポートしていま す。また、チームのプライバシーをある程度保 護しながらも他スペースが視覚にはいるように 工夫されています。

  • 境界部分 : 囲まれた
  • プライバシーモード: 深い集中 , 浅い集中
  • 姿勢 : ラウンジ/くつろぐ , タスク
  • プライバシー定義 : 信頼して任せる , 意識的に自分を保護する
  • 使用製品 : Gesture タスクチェア, FrameOne Enhanced ベンチシステム, SOTO II ワークツール, Manifesto 収納, turnstone Campfire ラウンジ

コンファレンス アンクレイブ

1 人やそれ以上の人数とネット上でつながるこ とができるプライベートスペース。ユーザーは このスペースで完全に作業に没頭しながらも他 のスペースにも容易にアクセスできます。

1-2 人でビデオ会議ができるテクノロジーも装 備。短いミーティングのために簡単にスペース に入ったり、出たりできるようにチェアのタイ プも考慮されています

media:scape を使用することで電源も確保で き、簡単にコンテンツ共有ができます。テーブ ル面もデバイスや資料を置ける十分な広さを持 ち、長時間使用するためにはスツールの使用 も効果的です。また、照明はスペースの使用 中を示すデバイスとして使用することもできま す。

  • 境界部分 : 閉じられた
  • プライバシーモード : 深い集中, 活力の回復
  • 姿勢 : Tラウンジ/くつろぐ, スツール / 立つ
  • プライバシー定義 : 自分をだす , 信頼して任せる, 意識的に自分を保護する
  • 使用製品: media:scape® KioskTM SOTO II モバイルキャディ, RoomWizardTM スペース予約システム, Coalesse® SW_1TM ラウンジ, RoomWizardTM スペース予約システム, turnstone Campfire ラウンジ, SOTO II Mobile モバイルキャディ, RoomWizardTM スペース予約システム

パーソナル リトリート

スペースを離れずに1人になれる「場」を設 けることで目の前の作業に没頭できます。

ワークエリアに隣接してノマドキャンプを設 置することで、ユーザーは1人で熟考したり、 集中したりすることがより容易になります。 また、ユーザーはどこで働くかを容易にチョ イスでき、他者にも簡単にアクセスできるか たちでスペースを自らコントロールできます。 スペースにはテクノロジーも完備されていま すが、短い時間でもデバイス等から完全に 離れて静かに考えるスペースとしても利用で きます。

周りのワークエリアとの間仕切りとしてパネ ルを設置し、チェアはゆったりできる回転式 ラウンジチェアと私物を収納できるオットマ ンのコンビで機能も追求しています。収納棚 を設けることで資料等を便利な位置に置くこ とができます。照明はタスク用として調節可 能です。

  • 境界部分 : 囲まれた
  • プライバシーモード : 浅い集中 , 活力の回復
  • 姿勢 : ラウンジ/くつろぐ
  • プライバシー定義 : 意識的に自分を保護する , 意図的に孤独になる
  • 使用製品 : Answer® デスクシステム, Coalesse® MassaudTM ラウンジ & オットマン, Coalesse® DenizenTM 収納, SOTO LED タスクライト

囲まれて 会話できる ラウンジ

ワークエリアの中に設置されたプライバシース ペース。人が素早く集まって短いミーティング をするのに最適。囲まれているので落ち着いて、 信頼ベースの人間関係を構築するのに役立ち ます。 ワークエリアの中に設けることでミーティング が必要な際には瞬時に利用できることができ、 集団の中から一時的に離れて、リラックスした 中での対面式ミーティングを可能します。 このラウンジはオープンレイアウトの中でのス ペースの間仕切りとしての機能も果たしていま す。簡易テーブルはデバイスや簡単な資料も置 くことができ、2-6 人までの収容が可能です。

  • 境界部分 : 囲まれた
  • プライバシーモード : 浅い集中
  • 姿勢 : ラウンジ/くつろぐ
  • プライバシー定義: 信頼して任せる , 意識的に自分を保護する
  • 使用製品: media:scape® ラウンジ, Coalesse® Free StandTM テーブル

コネクト ハブ

コンテンツの共有や密な対面式交流のための プライバシースペース。 ミーティングエリアやソーシャルなスペースか らも便利にアクセスできる場所に設置され、 プライバシーが必要な際にユーザーが自由に 選択できるスペースとして活躍します。室内の 照明、音響、視覚プライバシーをもユーザー 自らが調節でき、コンテンツの共有も可能にし ました。30-60 分までの短時間での使用に最 適。 スペースの視覚プライバシーレベルは壁の豊富 なオプションから調節が可能で、テクノロジー も完備されています。ラウンジチェアには電源 も統合され、その柔軟性のある構造はニーズ にあわせてカスタマイズも可能です。

  • 境界部分 : 閉じられた
  • プライバシーモード : 深い集中, 浅い集中
  • 姿勢: ラウンジ/くつろぐ
  • プライバシー定義: 信頼して任せる , 意識的に自分を保護する
  • 使用製品 : turnstone Campfire ラウンジ, Coalesse® Circa テーブル, RoomWizardTM スペース予約システム

プライバシー ゾーン1

静寂で図書館の雰囲気を持つプライバシーハブ。個人のた めのプライバシーを確保した様々なタイプのスペースを提供 しています。スペースは視覚的プライバシー、チェアタイプ、 人間工学的サポート、景観や方角などがすべて異なる多彩 なスペースを提供し、ユーザーは仕事内容に応じて自由に そのセッティングをチョイスすることが可能です。 スペースのウッド系の収納は間仕切りとしての役目も果た し、リビングルームのようなアットホームな雰囲気を創出し ています。オープンスペースの中で家具自体が間仕切りとし て活用され、他のスペースへも容易にアクセスができるよ うに工夫されています。

使用製品:

  • オープン : Gesture タスクチェア, Manifesto デスクシステム/収納, Coalesse ® MassaudTM ラウンジ & オットマン, Coalesse ® Free StandTM テーブル, turnstone Campfire ラウンジ
  • 閉じられた : Coalesse ® SW_1TM ラウンジ, Sit2Stand デスクシステム, Coalesse ® DenizenTM 収納, Cobi チェア

プライバシー ゾーン 2

適度な刺激があり、人のエネルギーを感じるソーシャルな雰囲気の中にプライバシー機 能を組み込んだスペース。オープンな中に設置されたプライバシーハブは集団を離れ、1 人でまたはペアで密に集中しながら仕事ができる空間を提供しています。 あえて自分を隠すことは他者とつながるように計画されたソーシャルなスペースで困難で すが、それが可能になるのがこのスペースです。プライバシーハブを設けることで、プラ イバシーという文化が根づき、個人は必要に応じて他者から離れて作業に集中すること ができます。 1-2 人用のプライバシーレベルに合わせた様々なスペースを設けることでユーザーは自ら 働く環境をチョイスでき、エネルギーを蓄えたり、目の前の作業に集中したり、1人で休 息したりというユーザーの1日の多くの活動を支えることができます。

使用製品:

  • オープン: Think タスクチェア, FrameOne Enhanced デスクシステム, Manifesto 収納, SOTO II モバイルキャディ, turnstone Campfire ラウンジ, Coalesse ® Free StandTM テーブル, Coalesse ® HosuTM チェア
  • 閉じられた: urnstone Campfire ラウンジ, Coalesse ® Bix テーブル

プライバシー ゾーン 3

ユーザーとスペースのバランスを考慮することは様々な視 覚的プライバシーレベルを持つスペースを提供し、ユーザ ーのワーク体験を高めることにつながります。 ユーザーはオープンかクローズか、他者に容易にアクセス できるか完全に他者から離れるか、動くまたは休息するこ とで活力を回復するかなど、さまざまな要素をチョイスし ながら、目の前の作業のために最適の「場」を選ぶことが できます。

使用製品:

  • オープン : media:scape Hoodie ラウンジ, Coalesse ® Free StandTM テーブル, Answer デスクシステム, Sit2Stand デスクシステム, Manifesto 収納

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ファストフォワード

後10年もすれば、かつてキッチンの壁に掛かっていたダイヤル式電話ように、今のあなたのオフィスも古臭く見えるだろう。今日の私達を取り巻く環境における変化の合図を注意深く分析し、Steelcaseの研究員はこれからたった10年後に起こり得るであろう仕事の仕方や場所についての7つの興味深いシナリオを考案した。ワクワクしようが身の引き締まる思いに駆られようが、これらは確実に、今日私達が経験しているものとは大きくかけ離れた未来についての見解をかき立てるものである。

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