ウェルビーング

オフィス機能を高める

犬も認めたテキスタイルがどうやって身体のエネルギー回復をするのか

Deidre Hoguet,
ディレクター、アプライドリサーチ, Designtex

私は今、特殊繊維の張り地のチェアに座ってこの原稿を書いている。極端に寒いとか暑いとかは感じないタイプの人間だが、検査で血流は8~10パーセント上がり、毛細血管が改善し身体の細胞により多くの酸素が流れるようになった。テキスタイルやイスの張り地によって座りながら人間の健康が向上するということは果たして可能なのだろうか?

その特殊な張り地とはCelliant®(セリアント)と呼ばれるもので二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化アルミニウムを含む13種類の安全な天然鉱物を埋め込んだ機能繊維である。 Celliant は、米国のテキスタイル会社、Hologenixによって開発され、米国食品医薬品局(FDA)によって医療デバイスや健康関連プロダクトとしても認証されている。それは毛細血管を開き、血流を増加させ細胞へより多くの酸素を促す効果があり、疲れを改善し、機敏さと元気を取り戻すことに貢献するとも言われている。

Celliantは、13種類の安全な天然鉱物を埋め込んだ機能繊維である。

この見解を実証するために研究や臨床試験が複数回実施されている。それとは別に当社では、Celliant繊維の効果を犬でも実験している。犬のベッドにその繊維を敷いたものと敷かないものを
並べて置いた場合、犬が選ぶのは必ずCelliant 繊維が入ったベッドだった。

Celliant繊維の研究は、2014年、Steelcaseの革新的な素材を探求するSteelcaseマテリアルイノベーション&エクスプロレーションチーム(MIE)が環境と反応し合うレスポンシブファイバーを検討したことがきっかけで始まった。同チームは、Celliant 繊維のメリットが果たしてチェアにも効果があるかどうかを調査した。 その結果、その効果が一番高いのが張り地だと判断し、MIEのメンバーであるテキスタイルブランド、Designtex は、2015年にその繊維を使った張り地製品の開発に着手した。

実際のユーザーテストでは、イスに着席後数分以内に効果がみられた。例えば、消費エネルギーや血流の増加、体温調節の改善といったことだ。

Celliant繊維内に含まれるミネラルは地球の表層に存在する鉱物だ。現代人は多くの時間を屋内で過ごし(平均90%)、これらのミネラルとの接触機会があまりないのだ。さらに1日の大部分を座って(平均12時間)過ごし、この座りがちなライフスタイルが肥満や血行不足というような健康問題も引き起こしている。

こういったことが何を意味するかということだ。血行が良くなれば体温が上がりエネルギーが増加し、基礎代謝が改善され気分が良くなる。健康的にはもちろん、屋外で身体を動かすことが一番だが、仕事中は無理だとしてもCelliant 張り地のチェアに座っているだけで血行の改善やエネルギー回復に少しでも貢献できるかもしれないのだ。

デスクに長時間座る人の健康状態を改善しようとする際にほとんどの人は身体と接触する張り地まで考えが及ばない。当社ではレスポンシブテキスタイルがデスクに座りながらユーザーの血行を促進し、健康を改善出来ないものかどうかを探っている。この張り地はウェルビーイングとも関係し、一般的な健康関連プロダクトとしても認められている特殊繊維だ。FDAの関係者はその点を繰り返し強調している。1日の大部分をPCの前に座って過ごしている人や治療で長時間座る人にとっては吉報ともいえる。

DesigntexのR&Dチームは、多用途での使用が可能なように張り地そのものではなく、裏張りにCelliant繊維を採用できないかを検討している。それが成功すれば飾り糸や肌触り、さらには防水加工やフェイクレザーなど多彩な張り地に適用でき、医療やヘルスケア分野での利用も可能となる。オフィス家具としての耐久性とデザイン性はそのままに、多種多彩な素材をより広い用途にまで広げることができるのだ。

Celliant繊維は、安全な波長である遠赤外線エネルギーを放出する。遠赤外線エネルギーは、スポーツでの筋肉回復や遠赤外線サウナでも使われ、熱や音が部屋から部屋へと伝達されるのと同じように壁を透過することでも知られている。当社では不織布裏張り張り地を開発し、何度もテストを実施した。厚手のパイル織物やコーティング張り地を透過して十分な量のミネラルがユーザーの身体に届くことを実証するためだ。

是非オフィスでその張り地を体感してみて欲しい。Celliant 張り地か、Celliant 以外の張り地のどちらのチェアが選ばれるだろうか?

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