テレワーク

タイムゾーンを超えてチームを連携させる

分散して働くチームが直面する現実と立ち向かうためのヒント

当ストーリーは、Steelcase 360シリーズ 「距離を感じさせない工夫」 のひとつです。

「タイムゾーンに関係なく、その働くリズムは必ずしも9時5時の定時退社というわけにはいかないこと、そして、チームの行動を習慣化させるのは決して容易ではないということが分かりました。」

ドナ・フリン、
Steelcaseワークスペースフューチャーズ、副社長

新型コロナウイルスが世界中で急速に感染拡大する中、一躍注目を浴び始めたのが在宅勤務や テレワークである。 自宅待機、外出規制や出張禁止といった方策によって異なる場所にいるチームメンバーがネットでつながる機会が急激に増えている。柔軟な働き方に慣れていない人にとっては新たな体験として意識や行動の変容が求められ、チームには多くの課題が浮上している。

チームのつながりを今まで通り維持するには?

分散して働きながらチームカルチャーは果たして築けるのか?

仕事がはかどるにはどうしたらいいのだろうか?

私は、過去数年にわたり、世界の複数のタイムゾーンと地域に分散したグローバルチームを統率してきた。そして、その貴重な経験を通してどうやったら分散しながらチームが連携できるのかを学んできた。まずはタイムゾーンに関係なく、その働くリズムは必ずしも9時5時の定時退社というわけにはいかないということ。そして、チームの行動を習慣化させるのは決して容易ではないということだ。そこで私たちは以下の5項目をチーム連携のための取り組みとして実践している。

1. コラボレーションツールの活用と、その最新のものを探し続ける。

今日、分散型チームが便利に利用できる業務ツールは市場に存在している。しかし、ひとつが全てを満たすわけではない。そのため、目的に合わせてGoogleドライブ、Slack、WhatsApp、Teams、Muralなどさまざまなアプリを使用することになる。私のチームは、何かを一緒につくりあげる際にはウェブ上のホワイトボード(ピンボードも可)Muralを活用している。これによってチームのコラボレーションは劇的に改善された。あらゆるビデオ会議プラットフォームも試してみた。オフィスにいる時はその場で対面しているかのような臨場感があり、かつコンテンツ共有も可能な「テレプレゼンス」が理想的だ。しかし、その欠点は何人かが自宅から参加する場合には利用ができないことだ。

ZoomやMicrosoft Teamsのような他のWebビデオプラットフォームも帯域幅が十分であれば上手くいくが「人」と「コンテンツ」を同時に見ることができないのが残念な点だろう。また、小さなノートパソコンではテレプレゼンスはもちろん、その両方が不可能である。これらのツールを上手く使いこなすまでに必要なのがまずは忍耐、そして、ツールを素早くスイッチできる順応性だ。例えば、ネットワークが不安定でビデオ会議が切断されたり、帯域幅の効率が落ちることで遅延が発生することも多々あることを頭に入れておこう。

2. 電話やビデオ通話の相手を意識し、気を配る。

「存在の格差」についてよく話すことがある。離れた場所にいる人は、同じ部屋にいる人と比べて不利な環境にあるのは明らかだ。例えば、同じ部屋にいれば会話もスムーズで画面の中にいる人をつい忘れがちになる。同様に分散型メンバーにとっては電話よりもビデオ通話など相手が見える方が有効である。

私たちは常にこういった問題を解決する最先端の方法を模索している。今後、分散して働く機会が多くなるとその状況はさらに困難を伴うことになるだろう。その際に重要なのが人々の「意識」だ。会議に参加している皆が平等に会議に貢献できるような環境をつくろうという全員の意識だ。ビデオで相手と目線を合わせながら話すようにすること、積極的に会話に参加すること、意見をしない参加者を誘導すること等を心がけるだけでも状況は大きく改善していく。特に現在、新型コロナウイルス感染症が拡大する中でメンバー全員が個々に電話やビデオでの通話をすることで「存在の格差」は少なくとも縮まっていくことは確かだ。

3. 分散型チームの連携強化のために定期的にミーティングを設ける。

オフィスで同僚と偶然に出くわすような機会は決して多くはない。そこには現在の緊急事態だけではなく、ITやテクノロジーの問題もある。チームの結束力を高めるにはフォーマル、カジュアル両方でつながる機会を増やすことが不可欠であることを多くの研究が示唆している。私のチームはこのベースを構築するために毎週ミーティングを設けている。ネットワークの技術的問題、プロジェクト情報の共有、結婚や出産などの仕事とは離れたプライベートな会話などにも時間をかけている。また、メンバー全員とのコーヒーやランチ、飲み会などの時間、「ソーシャルアワー」を習慣化しようとしている。メンバーの場所や時間によってはビデオ通話での参加も可能だ。チームの状況によって何が最善かは異なる、そして、同一の「場」にいる従来のチームよりも分散型チームでは考慮しなければならないポイントが多いことも覚えておこう。

4. チームは時間や場所の制約なく働くことを共通認識とする。

チームの中には早起きを習慣とする人、夜更かしをする人など1日の生体リズムも三者三様だ。タイムゾーンが違う人材からなるグローバルチームでの時間の管理は、身体的、認知的、情緒的な側面からも最大の課題の1つと言われている。チームミーティングは、かつては当社の本社がある米ミシガン州グランドラピッズ(米国東部時間)の勤務時間内に設定されていた。しかし、これもメンバー間に不公平感を生み出していった。そこで会議のスケジュールは見直され、毎月、各メンバーには早朝、日中、夜のそれぞれの時間帯に会議が1日づつ設定されるようになった。基本的に22時から7時までのチームミーティングには参加しなくても良いのだ。

5. チーム力を高めるために定期的にチームを集わせる。

皆が同じ「場」に集うことに代替できるツールなどはない。現在の出張制限の緊急事態にあってこれはもちろん適用されないが、私は年2回、世界に分散するチームメンバーを一堂に集めてワークショップを開催している。メンバー同士の絆を深め、信頼を築き、体験を共有するという意味で非常に有効であるからだ。そして、このワークショップでは3つのルールが設けられている。一緒に何かを構築すること、一緒に何かを学ぶこと、そして、一緒にカジュアルにおしゃべりをすることだ。同じ「場」に集えることで離れていると難しい複雑な問題を話し合ったり、戦略的議論や意思決定に充てることが可能になる。出張制限が解かれた際には、この毎年恒例の2週間イベントにかかる費用が残りの50週間のチームパフォーマンスに好影響を与えることは間違いない。グローバルに広がる高性能チームにおいて効果的な出張戦略の立案は必要不可欠だ。現在の危機的状況が終息した際にチームの絆を再度強化する方法を考えてみよう。

上記の方法はチーム同士の相互理解と共感を高めることにもつながっていく。他者への思いやりは信頼ややる気を促し、コラボレーションを加速させながらビジネスを前進させていく。


人類学者でもあるドナ・フリンは、グローバルにまたがるSteelcaseワークスペース・フューチャーズの研究チームを統括する。チームは研究調査から知見を導き出し、革新的な働き方へと具現化する頭脳集団である。


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