ハイブリッドワーク

オフィス変革の波

グローバルレポート「従業員意識の変化と働き方の未来」の続き

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多くのメディアで在宅勤務全面導入によるオフィス不要論が溢れています。当社は、大々的な調査とそのデータ集積から、未来はよりハイブリッドな働き方になると予測しています。世界中の多くの従業員がオフィス勤務を望むと同時に、より柔軟な働き方ができる環境整備を望んでいます。

「働き方」をより柔軟に

世界中に広がった在宅勤務は、新たな働き方の選択肢として定着してくる可能性がありますが、そのためには、企業は、組織風土や業務プロセス、ITインフラ、セキュリティ、不動産戦略などを見直し、仕組みや環境を整備することが不可欠になります。

在宅勤務を経験した人の多くが今後もその継続を望んでいますが、その頻度は人によっても異なります。企業にはその経験と蓄積されたノウハウでそれぞれの組織、個人やチームとってベストなテレワーク制度導入が求められています。

大多数の人は、在宅勤務よりもオフィス勤務を望む人が多く、毎日の完全テレワーク勤務体制を望んでいないことが調査からも分かっています。ほとんどの国では、その大多数が週1日在宅勤務を希望しています。

進化したオフィスカルチャーを確立しているフランスとドイツでは、在宅勤務を望む割合は最も低いという調査結果が出ています。それに対してインドとメキシコは、その割合が高い傾向があります。しかし、在宅勤務に不満を抱える人の生産性とエンゲージメントは、長期間に及ぶほど低下するということも明らかになっていますので、企業は在宅勤務の頻度も含めてテレワーク制度の適用はあらゆる側面から慎重に検討されるべきでしょう。

大多数の人は、在宅勤務よりもオフィス勤務を望む人が多く、毎日の完全テレワーク勤務体制を望んでいないことが調査からも分かっています。

在宅勤務を望む頻度

ほとんどの国の大多数の人は、コロナ禍後には週1日程度の在宅勤務を望んでいます。

注目ポイント:フランスとドイツは、在宅勤務を望む人の割合が最も低く、インドはその反対で最も高い。

より柔軟な働き方への理解が進んだ

働き方の選択肢としての在宅勤務やテレワークを望む声が多い中、本格導入を真剣に考える企業が増えています。当初は短期間ということで導入をためらっていた企業も今後はその導入を推進するだろうと思われます。現在、世界中の企業の87%が、従業員が働く時間や場所を選択できるような柔軟な仕組みを目指していることが分かっています。その割合は2020年4月の時点から38%増加しました。この結果からも世界中のより多くの国が柔軟な就労体制の構築へと向かっていると言っていいでしょう。

企業はより柔軟な働き方を目指している

コロナ禍によって、従業員が自宅やオフィス以外の第3の場所を自由に選択しながら働くことになるだろうと予想する企業の割合が高くなっています。

Work Better Campaign

新たな「ハイブリッド」という働き方

世界中で急遽導入された在宅勤務やテレワークは、働く場所を組み合わせた「ハイブリッド」という働き方へのシフトを加速させています。企業が企業風土や従業員に適した方策を考えるにつれ、完全在宅勤務という選択肢はさらに複数の選択肢をもったより柔軟な働き方に移行する傾向が高くなっています。

企業のほぼ4分の1は、引き続きオフィス勤務と在宅勤務、または第3の場所を組み合わせて仕事をするというハイブリッドな働き方を採用する企業が増えています。

実際、コロナ禍に完全在宅勤務を継続するという企業の割合は、世界全体で2%しか増加していません。企業のほぼ4分の1は、引き続きオフィス勤務と在宅勤務、または第3の場所を組み合わせて仕事をするというハイブリッドな働き方を採用する企業が増えています。一部の企業では、自宅やオフィス以外のさまざまな選択肢も検討しています。通勤ゼロが在宅勤務の最大のメリットだとすると、より静かな居住環境に近いサテライトオフィスやコワーキングスペースなど臨機応変に働く環境を分散する選択肢もそのひとつです。こうした様変わりする環境の中で、企業は自社運営のコワーキングスペースも含めたオフィス・不動産戦略を見直す必要があります。

企業はハイブリッドな働き方を模索している

ハイブリッド型ワーク:国別

2020年9月のコロナ禍、世界中の主要企業のリーダーにコロナ禍後の働き方について尋ねた際、上記の3つの勤務形態の中でほとんどがオフィスと在宅またはオフィス以外の第3の場所を組み合わせたハイブリッド型を検討していることが分かりました。

注目ポイント:フランスとドイツは、在宅勤務を望む人の割合が最も低く、企業も同様に多くがオフィス勤務だろうと予想する。インド、中国、イギリスは、多くの在宅勤務希望者も考慮した上でのハイブリッド型勤務を採用するだろう企業がはるかに多い。

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