創造性

SteelcaseとMicrosoft : 「創造性」のギャップを埋める

ミュンヘンのイベントで職場環境とテクノロジーが人間に秘められた「創造性」をどう高めるかに注目が集まる。

創造的な問題解決力とは、人間を人間たらしめる能力である。ビジネスの世界ではまさに創造力があり革新的なアイデアを持ち、前進し続けようとするリーダー像が求められている。しかし、働く「場」と「創造性」にはギャップがあるのが現状だ。SteelcaseとMicrosoftの 調査 によると、現在の職場環境は人々が創造性を発揮できるように設計されていないことが明らかになった。職場環境とテクノロジーがどのように創造性を高めることができるのか。それを追求するためにミュンヘンにあるSteelcaseのラーニング&イノベーションセンターは、Steelcase, Microsoft、Combine Consultingの3社を一同に集めた関連イベントを開催した。

この「未来の働き方はクリエイティブ」というイベントには多くの人が参加し、何百人もの人々がオンラインでこのイベントの様子を視聴した。イベントでは、「場」とテクノロジーで「創造性」のギャップを埋める際に役立つ4つのアプローチを提示した。

多彩な「場」の集合体

世界中の不動産会社と協働しているCombine Consultingは、ミュンヘンに「創造性」や敏捷性、コラボレーションを促す革新的なオフィススペースを創った。そこで働くAndré Nagel氏はその新オフィスを働く「人」を刺激し、意欲を掻き立てるスペースだと表現した。1番のポイントは、作業に応じて仕事ができる多彩な「場」があるということだ。

Collection of Spaces
イベントのワークショップでは参加者がコミュニケーションしながら共同で何かを生み出すことが求められた。

その柔軟性の高い構成はメンバー同士のコミュニケーションやコラボレーション、集中、チームとしてのコミュニティ意識を促すというものだ。人々は集中や小休止の際にプロジェクトルーム、コンファレンスゾーン、静寂な場所、オープンまたは間仕切りのあるエリアなど、誰もがその多彩な「場」をチョイスし自分にとって仕事がしやすい環境で働くことができる。Nagel氏は、同社のコンセプトを成功に導くためには、なるべく早い段階でユーザーであるスタッフと管理職がこの再設計プロジェクトに関わることだと説明している。

場」と「テクノロジー」の統合

デジタル変革 が複雑な問題を次々と生み出し、その解決にはより創造的な方法が求められる中、企業は社員の創造性を引き出し、その創造プロセスを加速させる方法を見つけなければなりません。」と語るのはMicrosoft SurfaceのプロダクトマネージャーであるLea Schumacher氏だ。

Integrating Place + Technology
Steelcaseのヨーロッパ、中東/アフリカ、アジア太平洋地域のデザイン担当ディレクターであるMichael Held氏は、「場」と「テクノロジー」が統合された職場環境を設計することの重要性を語った。

SteelcaseとMicrosoftは、人がより創造的になり、アイデアが醸成される「場」の創造に向けて一年半をかけて協働している。その中で、 創造プロセス にはリズムがあること。まず、人は集まってアイデアを生成し、その後に個や少人数のグループに分かれて集中し、また、再度グループに戻って反復していることが分かった。SteelcaseとMicrosoftはその創造プロセスをサポートするテクノロジーが統合された「場」のコレクション、「クリエイティブ・スペース(Creative Spaces) 」を共同開発した。

「企業はテクノロジーとスペースを分離して考えるのが一般的です。ITとファシリティという別々の部署だからです。しかし、職場環境を設計する際にこれらを一緒に考えることが人々の創造力を高め、アイデアを発揮する能力を適切にサポートする環境をつくることが出来るのです。」とSteelcaseのデザインディレクターのMichael Held氏は語る。

職場での現代版ITの役割

MicrosoftのテクノロジースペシャリストのJulia Eberl氏は、創造性を発揮できる職場環境における現代のITが担う重要な役割を強調した。かつて、オフィスには固定されたデスクトップコンピュータと電話がありそれはIT部門によって管理されていた。不具合が生じた際には、社員はフォームに記入し、IT部門からのヘルプを待っているだけだった。社員は何もできずにただ会社のインフラに依存するしかなかったと語る。

Modern IT at Work
大型デバイスは人が席から立ち上がり、積極的に会議に参加することを促します。

これと対比される現代版ITのビジョンは、ユーザーに複数の異なるデジタルモバイルデバイスを使用させ、場所に関係なくアプリケーションにアクセスさせることだとEberl氏は言う。社員は自席、ホテルや飛行機からストレスなく働くことができ、何か問題が起きれば自分ですぐに問題を診断し、解決出来るのだ。職場環境とテクノロジーが融合することとは、ソリューションが個々の作業内容に適応し、働き方をサポートするための情報を提供することであると語った。

グローバルコネクション

テクノロジーと「場」は、人々が他の都市や国にいる同僚と密に繋がるのに非常に重要な役割を担っている。Microsoftはグローバル企業として、ドイツとベトナムという離れた場所でのコラボレーションを改善するにはどうすれば良いかを教えてくれた。新テクノロジーソリューションは、コミュニケーションをシンプルにし、改善し、加速させ、コラボレーションを促し、プロジェクトをよりダイナミックなものにすると言う。

Steelcaseの研究員たちは、分散したメンバー同士をつなぐ際の問題点とそれを環境がどう解決できるかについて長年研究を重ねてきた。分かったことはカメラとマイクの位置やチームのサイズを適切に計画すること、参加者がスペースを動き回り、様々な姿勢を取れるといったスペースの設計だ。(詳細は: 距離的制約をなくす).

「未来の働き方はクリエイティブ」イベントは、「人」、「場」、「テクノロジー」を統合して考えることによって職場環境をより包括的に捉えることができ、人々を問題解決に導き、イノベーションをサポートすることができることを教えている。

SteelcaseとMicrosoftが共同開発した クリエイティブ・スペース の詳細とどう「創造性」を助長できるかを知るにはクリエイティブ・シフトをご覧ください。

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