「イノベーション」に関する考察

職場環境のイメージを変える

LINC Munich

LINCは、旧態依然とした企業組織やオフィスというものを完全に塗り替えた理想的な姿である。その設計デザインは、Steelcaseのデザインチームを核にミュンヘンにあるHenn ArchitectsとパリのManku Design両社の協力のもとに多彩な才能を結集させたチームで実現した。 設計デザインのビジョンは、従来のオフィススペースを従業員と来訪者を惹きつけてやまない未来型「目的地」に転換することだった。

「LINCは、企業カルチャーの変革、つまり、働く「場」を「会社然としたオフィス」から、「クリエイティブなスタジオ」へと変換させるように設計されています。」と語るのはSteelcaseのデザインエンジニアリングチームを率いるJames Ludwig氏だ。

私たちはデザイン思考や創造的なコラボレーションといった行動が継続的にサポートされ、分散しているメンバーも含めて全ての人がアイデアを具現化できる理想的な環境をつくりたかったのです。」

James Ludwig Steelcase

設計デザインチームは、より創造的な問題解決を可能にする人間主体のアプローチであるデザイン思考を採用するにあたって、共感や実験、複数のソリューション提案というような通常、デザイナーが使用するツールキットを活用し、そこで働く人々をあらゆる側面から調査し、顧客体験も徹底的に研究した。さらに、創造型ワークに欠かせない集中ワーク、少人数/大人数でのコラボレーション、共創造、機能ベースの学習、そして、従業員がエネルギーチャージできるなど、とかく見過ごしがちな項目も念入りに調べ上げた。

「とかく、人は視覚的なデザイン要素にばかり目がいきがちです。しかし、社会学における空間という観点からみると、それらはあくまでも二次的なもので、信頼に基づいた人間関係の構築や自身の創造力を信じるといったものにはつながらないと考えます。」とLudwig氏は語る。コラボレーションや学習の際に、ストレスなしに仕事のツールや他者とつながることができているだろうか? アイデアを共有できるだけでなく、必要に応じてプライバシーが確保できるだろうか? 職場環境とは視覚的デザイン以上に重要なのは、それがどう機能しているかだ。そして、働く人々がそこで何を生み出しているかなのだ。


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