学習したことからくる無力感を克服するには

私は赤ちゃん象を飼いならす方法を聞いたことがある。赤ちゃん象は捕獲されると、飼育員は象の脚の周りに鎖をつけて、安全な柱に付けて象が逃げないようにするということだ。最初は逃げようとするが、最終的には抵抗しなくなり、その運命を受け入れるようになる。自分が何をやっても状況は変わらないという赤ちゃんの時のこの経験は、象の人生を無力にしてしまうのだ。飼育員は象が成長すると、ロープの代わりにチェーンを巻く。しかし、何のために?象はもはや逃げようとしないのに。

しかし、象は最強の哺乳動物であり、陸生動物ではないか。象は鼻を使って木を根絶することもできる。何故それができるのか? 象はバカなのか? いや、そうではない。象は世界で最も知的な動物のひとつだ。脳の構造も複雑で人間のものと似ている。言語を特定し、人間のボディランゲージを理解し、共感を示し、死を悼むことさえできる。象は逃げることができないことを学んだことで、もう試そうとはしないのではないだろうか。

私は今、この話は「象を飼いならす方法」についてではなく、「無力なことを学んだ」ことについての話なのではないかと考える。そして、この最初に動物で試された行動が人間にも当てはまるのではないかと理解している。

学習することからくる無力感は、何度も失敗して、何をしても状況は変わらないと実感することから起こるものだ。例えば、職場での例を挙げれば、「やってみたがうまくいかなかった」、「それはすでにお願いしたが断られた」というようなことはよくあることだ。拒否されたり、承認されなかったりした後に、私たちも象のように、仕事で無力感を感じる状況は多い。何をしても、結果をコントロールすることができないことを悟るのだ。

拒否されたり、承認されなかったりした後に、私たちも象のように、仕事で無力感を感じる状況は多い。何をしても、結果をコントロールすることができないことを悟るのだ。

これは私たちが考えるよりも危険な状況を招くことになるかもしれない。企業の例を言えば、従業員は言われたことしかせず、好機や解決策、選択肢や可能性を探すという意欲的な労働環境を生まないことである。こういう考え方が企業のイノベーションや生産性、収益性にどう影響を及ぼすかを推測できるだろうか? もちろん、多くの人は決して怠け者ではない。しかし、無力感を感じている状態、自信、仕事への意欲や士気はなくなり、大胆さやリスクを冒すことさえできない状態を想像してほしい。

働く「場」の重要性

Steelcaseでは、働く「場」が人間同士の交流や行動にどう影響するかを長年にわたり研究しつづけている。そして、物理的環境である働く「場」は、従業員が貢献意欲を持って働けるための戦略的資産であることを積極的に啓蒙している。具体的には、従業員がどこでどう働くのかを自由にチョイスすることができれば、より多くの人の貢献意欲は高まることが調査研究でも明らかになっている。

<span style=”font-weight:その実現には必ずしも莫大な投資がかかるわけではない。企業が働く「場」を活用して、どこでどう働くかの選択肢を提供し、無力感を克服できる環境を創造できるアイデアを以下に紹介したい:

  • 従業員が執務スペースをパーソナル化でき、仕事の成果を分かち合える: 家族の写真を貼ったり、成果を共有したり、魅力あるアートを飾ったりするなど、従業員が自分の執務スペースをパーソナル化できるようにすることで、会社へのつながりや帰属意識を高めます。
  • 交流ゾーンを設置: 仕事の合間のコーヒーブレイクは重要で、人が集い、カジュアルに会話しながら交流する機会を増やします。人間同士の深い関係を築くと、会社への忠誠心も増します。
  • 透明化を実現するデザイン: ホワイトボードやメディアウォールを活用して、会社の最新情報を掲示したり、従業員同士がお互いを見つけやすいようにオープンな環境を創りましょう。
  • 日を通して身体を動かすことを奨励する: 身体を動かすことで脳に酸素が送られ、ワーカーは心身共にリフレッシュしながら仕事ができます。会議のために立ち上がったり、外に散歩に出たり、会議中に立ったりするよう心がけましょう。
  • 個とグループのためのプライバシーをサポート:ワーカーにとってグループワークに集中できると同時に、熟考できるひとりで静かな時間も必要です。企業カルチャーと最適な「場」づくりを通して、これらのニーズをきちんとサポートしましょう。

Steelcaseは最近、自社のスペースを再生させました。ワーカーの貢献意欲を高めるためにどうスペースをデザインしたかをご覧ください。


世界のエンゲージメント + 職場環境実態の最新リサーチ

Steelcaseの最新調査で世界17カ国の3分の1以上のワーカーのエンゲージメントが低いことが明らかになりました。Steelcaseグローバルレポートはグローバル市場調査会社であるIpsos社と提携し、エンゲージメントと職場環境の相関関係を探った初の世界的調査です。

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