外的刺激の 蔓延化

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ワークプレイスの満足度と労働意欲に影響を与える状況の一つは刺激が多いワーク環境に常に身を置かなければならない場合です。全米ベストセラー本、「Quiet 静寂 : 内向型人間の時代」の著者であるスーザン ケイン(Susan Cain)氏はその本の中で、多くの人は人が周りにいない時に最も実力を発揮すると説明しています。それにも関わらず、「集団思考」という造語がつくられるほどチームでの作業が重視される環境が多く創られました。その中で人間は仲間からの圧力に屈したり、孤立して他者と異なる視点でモノを見るのではなく、他者に追従するという状態に陥っていると述べています。

ケイン氏は「対面式のコラボレーションを止めることではなく、その仕方を変えること」だと説いています。つまり、オープンレイアウトだけを採用するのではなく、人々が万華鏡のように変化する相互作用の中で、自由に動きながら仕事ができる環境を創りだすということだと述べています。そうすれば、集中したい時、ただ1人でいたい時にはいつでもプライバシーのある空間に身を置くことが出来るのです。

Coworkers using varying technology around cluttered desk.

パフォーマンスマネジメントのコンサルタントであり、「Your Brain at Work 仕事脳」の著者でもあるDavid Rock氏は神経科学の最新の発見とし、ほとんどのワーカーは毎日押し寄せる莫大な情報量や外的刺激などの蔓延化に苦しんでいると述べています。脳科学的には思考や創造性を担う最高中枢である人間の前頭前野は小さく、エネルギー不足になりがちで、簡単に活動低下になりやすい部位といわれています。多くの研究によるとマルチタスクはあくまでも希望的観測で、実際には人間は一度にひとつのことをすることしかできないことが明らかになっています。

外部からの邪魔を防ぐ方法は人によってさまざまです。