方針の概要と適用範囲

Steelcaseでは、皆様全員に、人としての尊厳や人権、労働権を尊重することの啓蒙に努めています。 当社の文化は人類の将来と長年培ってきた、人としての本質的価値を明らかにする当社の理念を組み合わせて導かれ、これらに基づいて判断を下しています。

  • 誠実な行動
  • 真実を述べる
  • 約束を守る
  • 尊厳と敬意をもって人と接する
  • 前向きな関係を促進する
  • 環境を保護する
  • 卓越(秀でること)

人としての尊厳と人権や労働権を世界的に進めていく当社の方針は、国際法規、理念、慣習、基準を踏まえて、国際人権章典を含むSteelcaseの理念、方針を盛り込んでいます。

  • 国際人権章典
  • 労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言
  • 国連世界人権宣言
  • ビジネスと人権に関する国連指導原則
  • OECD多国籍企業行動指針
  • 当社が署名している国連グローバル・コンパクト
  • 労働者宿泊施設に関するIFC/EBRD指導覚書:過程と基準
  • 優れた指導原理
  • 法規範
  • 当社の企業理念
  • 当社の基本的価値観
  • 当社のグローバルハラスメント防止方針
  • 当社のグローバル事業基準
  • 当社の供給業者用の行動規範、および
  • 本グローバルの人権および労働権に関する方針

本グローバルの人権および労働権に関する方針は上記に記された法規、理念、慣習、基準、国際的理念と方針、およびグローバルの人権及び労働権に従ってSteelcaseが取り組み、世界中の全従業員に適用するものです。 これは、適用範囲内で、当社の事業パートナー、供給業者、代理業者、および取引業者にも適用されます。

当社の改善に向けた取り組み

改善は人権や労働権を尊重する当社の責任と深く関連しており、人権や労働権に反する影響を不注意に引き起こしたり、原因に寄与した、あるいは原因を引き起こした、または寄与したと判断された場合に、効果的な苦情処理や状況解決に対応するアクセスを提供する取り組みに当社は励んでいます。更に、当社はSteelcaseの全従業員が、本方針あるいは人権や労働権に反する影響、倫理的懸念を生じると思われる、あるいは実際的な違反を、当社が提供する何れかの関与機会を使って直ちに報告することを促しています。以下は当該関与機会の一部です。

  • Steelcaseのインテグリティラインintegrity.steelcase.com
  • 当社の門戸開放方針
  • 従業員円卓会議
  • 1対1面談
  • 指導陣へのアクセス
  • 人事、法務、内部監査専門家へのアクセス
  • インパクト(効果力)コーチングセッション、および
  • 従業員アンケート

いずれの苦情報告手段を選択しても、Steelcaseの方針は、当社の方針に違反する、あるいは人権や労働権に影響を与えると思われる事項の報告が及ぼす如何なる脅迫や処罰から従業員を保護しています。更に、Steelcaseインテグリティラインは、機密保持が施されており、社外および社内の個人や組織が利用できるもので、 複数の言語に対応しています。ご希望により、匿名扱いとすることもできます。

文化的あるいは法規的対立

文化的な基準は世界中で異なっているため、他の従業員に代わって意見を述べたり、懸念を表示したり、権利を行使して上記の機能の一つを利用したりすることに対して文化的な寡黙がある場合があります。 従って、当社は全従業員が報復、脅迫、嫌がらせ、仕返しの恐れを心配することなく、内密に懸念を持ち上げて権利を行使することを促進する重要な研修やコミュニケーションを提供しています。

国や地域の法的要件によっては、これらの方針で説明されているものとは異なる法あるいは規約による基準が定められている場合があります。また、将来規定される地域的な法的要件がこれらの方針、実践、取組機会に干渉する可能性もあります。そのような場合、当社は全従業員、事業パートナー、供給業者、代理業者、取引業者が、国家あるいは地域法規を犯すことなく当社の方針を適切に適用するように要求します。これと同時に、当社は国家あるいは地域法規を尊重すると共に、国際人権基準が国家あるいは地域法規が上位となる当該法規を土台として、当社の事業行動と運用を国際基準に合わせることに努めます。

(当社のESG主導権を管理する役員委員会を通して)当社の上層チームと役員会員は本方針の開発に参加し、本方針の基準違反が発生した可能性のある事象を含む、実行の責任を負っています。違反は処罰措置あるいは事業関係の停止に繋がる可能性があります。 管理者、リーダー、人事、法務、環境持続性、健康と安全、調達を含むSteelcaseの人員は当社の人権と労働プログラムを維持する責任があります。本方針は公表されており、当社の新入研修体験の一部となっています。

人権

Steelcaseでは、人が当社事業全ての中心となっています。全ての人々に対する、人としての本質的価値を明らかにする当社の理念に加えて、全員に対する当社の日常の関わりの中で、当社の基本的価値観を実践する当社の責任は、国際法、原則、条約、基準、社内原則、上記原則に従い全員の権利と尊厳を反映する当社の事業実行をする責任を確立しています。人種、肌の色、民族、国籍、社会地域、祖先、性別、性同一性、性表現、性的志向、言語、年齢、障害、健康状態、健康状況、身体的外見、妊娠、結婚歴、家族歴、外国人であることや国籍歴、宗教・信条、政治的・その他の関係、遺伝情報、軍役・復員歴、居住地、経済・社会的状況、犠牲者状態、またはその他の特性に関わらず、全ての人間は国際的に認識されている人権の尊重や保護を受ける権利があります。これらの権利には、生存と自由の権利、奴隷や拷問からの自由、虐待からの自由、意見や表現の自由、生計を立てる権利、教育を受ける権利、清潔な水へのアクセスの権利、その他多くの権利が含まれています。

全ての人間の権利と尊厳を尊重して当社の事業運営にあたる責任には、当社の事業運営が人権に及ぼす事項を認識する作業を実行し、影響を受ける可能性がある者と相談し、悪影響を軽減して解決する手段を実践することが含まれます。  リーダーと管理陣は、誠意を持って聞くことから始め、従業員が恐れを持たずに意見を述べるように奨励します。

多様性、公平性、一体性

Steelcaseにおける多様性とは、性別、人種、その他の保護分類、状態、特性を超えたものを意味しています。これは、先天的および後天的な異なる特性、経験、意見を持つ者を意図的に混ぜることを意図しています。これは、思考の多様性を意図的に実現するということです。これは、人々のキャリア全体を通して尊厳と敬意をもって人に接することを含めた、当社の基本的価値を延長するものです。当社は多様性を擁護して機会に対する公平なアクセスや、従業員が信頼される一員となる包括的な文化を作り、当社における人生で成長することを確実にします。当社はこの取り組みを事業パートナー、供給業者、代理業者、取引業者、地域社会に対し、延長適用しています。

公正な扱いと差別の排除

Steelcaseは、平等な雇用機会を提供し、差別のない雇用慣行を確保し、すべての従業員に威嚇、脅迫、敵意、非人道的な扱い、暴力、ハラスメントのない職場環境を与えることにより、女性や平等に扱われていないグループを含むすべての従業員の権利を保護することに尽力しています。Steelcaseは、人種、肌の色、民族、国籍や社会地域、祖先、性別、性同一性、性表現、性的志向、言語、年齢、障害、健康状態、健康状況、身体的外見、妊娠、結婚歴、家族歴、外国人であることや国籍歴、宗教・信条、政治的・その他の関係、遺伝情報、軍役・復員歴、居住地、経済・社会的状況、犠牲者状態、またはその他の特性に関する差別は致しません。

結社の自由と団体交渉

Steelcaseの文化の中心となるものとして、従業員が意見を述べ、リーダー・管理陣が誠意を持って聞く、従業員とリーダー・管理陣間のオープンな相互コミュニケーションがあります。  Steelcaseの従業員は、作業条件、社則、慣行、企業戦略、その他の問題を報復、脅迫、嫌がらせ、仕返しの恐れを心配することなく、オープン形式でリーダー・管理陣とコミュニケーションを取ります。  この文化は、Steelcaseインテグリティラインを含む、意図的に設定された社則、運用、過程によって強化されており、 門戸開放方針、従業員円卓会議、1対1面談、指導陣、人事、法務、内部監査専門家への自由なアクセス、インパクト・コーチングセッション、従業員アンケート、研修や学習機会、意図的な施設空間配置の包括的設計、リーダー・管理陣へのアクセス性、協同作業、プライバシー、集中および休憩の機会も含まれています。

従業員参加の一例として、従業員が主体となり組織立てられた、オープン形式の包括的な親和グループが挙げられます。これは、従業員が集まって意見やアイデアを出し合い、リーダーや管理陣を含む社内の他者を指導しながら対話を取り上げるものです。  親和グループは参加希望者全員が参加できるものです。  参加は任意形式となっています。

その他の従業員参加の例として、当社の世界中の地域にある労使協議会が代表している種々の既存組合や従業員グループが、結社と団体交渉自由参加の例として挙げられます。  法律で結社と団体交渉への自由参加が禁じられている地域では、上記のSteelcaseオープン形式相互コミュニケーション文化は、従業員が意見を述べ、親身になって聞いてくれるリーダーや管理陣に対してアイデアや懸念事項を伝える機会を与えます。

当社のコミュニティ

Steelcaseは、当社の製品、サービス、業務が影響を与えるコミュニティの人々の人権を当社の運用や事業パートナーが必ず尊重することに力を注いでいます。  当社は、現地コミュニティで人権や労働権の発展に力を注いでいる地域利害関係者と一緒に活動し、社会改革プロジェクトを介して従業員のボランティア活動と共に経済的支援をしています。これらの活動を通して当社は、不公平の低減、質の高い教育の進展、持続的な町とコミュニティの構築に尽力する地域利害関係者の影響を高める努力をしています。

更に当社は、生活、健康と幸福、安全、清潔な水へのアクセス、持続的な生物多様性、当社製品、サービス、運用あるいは当社の事業パートナーによって悪影響を受けないことを含む、コミュニティの人々の人権を守ることに尽力致します。当社は、悪影響の認識に努め、当該影響の回避、縮小、軽減をする対処を実行します。

雇用/労働慣行

Steelcaseは、従業員や事業パートナーが、自発的、安全、正当報酬、人の尊厳保護の下で、人種、肌の色、民族、国籍や社会的履歴、祖先、性別、性同一性、性表現、性的志向、言語、年齢、障害、健康状態、健康状況、身体的外見、妊娠、結婚歴、家族歴、外国人であることや国籍歴、宗教・信条、政治的・その他の関係、遺伝情報、軍役・復員歴、居住地、経済・社会的状況、犠牲者状態、またはその他の特性による差別を受けずに雇用されていることを確保するよう尽力致します。

非自発的労働

Steelcaseは、組織やサプライチェーンのいかなる部分においても、人身売買に参加したり、奴隷労働を利用したりすることはありません。すべての労働は自発的なものであり、労働者は自由に辞職したり、雇用を終了したりすることができます。当社は労働者が強制的に仕事の対価の支払いを課せられることや、雇用取得過程において第三者に負債を負うことを禁止しています。  万が一労働者の権利に違反する行為が発生した場合には、Steelcaseは労働者に対する悪影響を軽減する努力を致します。

未成年の労働

Steelcaseは、組織やサプライチェーンのいかなる部分においても、児童労働を行うことはありません。当社は、現地法規、規制、基準に準じた合法的な見習いプルグラムの適用を支援しています。

労働時間

Steelcase従業員の労働時間は、現地法規が設定する最大時間を超過することはありません。さらに、1週間の労働時間は、緊急事態や異常事態の場合、および現地の法律で認められている場合を除いて、時間外労働時間を含め週に60時間を超えてはいけません。従業員は、週7日ごとに少なくとも1日は定期的に休日を取得することができます。

賃金、福利厚生、利益分配

Steelcaseは全従業員に対し競争的賃金や福利厚生を支払います。  当社は準拠法規や法的適用義務がある全ての福利厚生規制に従って、最低でも最低生計賃金を提供致します。従業員は、通常の労働時間に対する報酬に加えて、適用される法律および規則で定められたレート以上の、残業時間に対する報酬を受け取ります。Steelcaseは処罰対処とした金額を給与から控除することはありません。労働者への支払いに関する文書化された根拠は、給与明細書またはそれに類する通知により、適時に提供されます。Steelcaseは利益分配企業です。  当社は、殆どの従業員が参加している自社の広範ベースの従業員ボーナスプランに基づいて利益分配を年次支給致します。

転勤支援

Steelcaseは、従業員とその家族にとって転勤が不安な経験になる可能性があることを認識しており、そのプロセスをサポートするために一流のサービスプロバイダーと提携しています。通常の移動の煩わしさを軽減し、できるだけ早く新しい家や仕事に慣れることができるよう、このサポートネットワークが提供されています。

キャリアマネジメント、研修、学習

Steelcaseは生涯学習を信じており、学習と指導の考え方や文化を全従業員に提唱しています。当社は、自己認識、新しいスキル、目標設定、フィードバックサークルへの参加、自己反省および実践を促しています。新しい行動や考えを構築するために当社は、意図的な学習、対話を通じて従業員が安心して学習できる空間の創造、問題解決、目標設定を促進するよう、リーダーに力を与えています。

当社は、業務過程において、従業員のキャリア生涯を通した学習経験ができるように工夫しています。従業員は役務に応じた情報を、ツールやフレームワークを使って学び、学んだことを当該業務状況に即時適用します。  従業員は適時フィードバックを受け取り、自己反省をして理解を深めます。技術と人的スキル、知識と経験を組み合わせて、従業員は短期、中期、長期的な事業目標を達成する準備ができることとなります。

「人は皆学び、教える」という当社の信条を深めるために、当社は学習者と教育者のコミュニティであるのです。学習者がアクセスできる局部的な実践コミュニティは存在していますが、学習者には内容を集めて経験を共有するように促進しています。これによって、確立した学習と成長の知識ベースを強化することになるわけです。

職場の健康と安全

当社の従業員の安全は最優先です。当社の事業パートナー、下請け業者、取引業者、代理業者、当社施設へ訪れる顧客や来訪者(「来訪者」)の安全は重要です。Steelcaseは、安全な職場条件と健康な職場環境の創造と維持に関する国家および地域法規全てに準拠しています。  当社は業界をリードするISO基準を該当する各職場に適用しています。当社は健康と安全管理の実践を当社業務全体に統合して、化学、生物学、物理的な危険を職場から排除あるいは最低限に維持し、必要に応じて従業員と来訪者に個人防護器具を提供しています。 このような危険を排除できない場合、Steelcaseは適切な対策を講じてリスクを軽減します。

安全上の懸念を表明することで、従業員が処罰を受けることはなく、来訪者が影響を受けることもありません。  従業員は報復、脅迫、嫌がらせ、仕返しの恐れを心配することなく、危険な作業状態を拒むことができ、来訪者は否定的な結果が生じる心配をすることなく、危険な状況に立ち会うことを拒否することが出来ます。

肉体的に厳しい仕事

Steelcaseは、手動での運搬作業、重い物の持ち上げまたはその反復、長時間の立ち仕事、繰り返しの多いまたは強い力を必要とする組み立て作業など、労働者がさらされる物理的な危険を最小限に抑えるためのベストプラクティスを特定し、評価し、実践しています。

労働安全の手順とシステム

Steelcaseは、労働災害や疾病を管理、追跡、報告するための手順とシステムを確立しています。当社は、該当する場合、従業員および来訪者に対して労働災害や病気を報告することを奨励しています。Steelcaseは、すべての業務上の傷病事例を分類して記録し、それらの事例を調査し、その原因をなくすための是正措置を実施します。Steelcaseは、医療を提供するか、あるいは従業員が公的な健康保険および/または追加の健康保険に加入できるようにし、従業員の職場復帰を促進します。

安全衛生コミュニケーション

Steelcaseは従業員と来訪者に対し、職場における適切な健康と安全情報、適用法規が要求する言語と現地法では要求されていないが従業員が理解する現地言語で警告と研修を提供します。Steelcaseは当社の施設で使用している危険あるいは有毒物質の安全データ表を従業員が参照できるようにしており、当該物質に職場で誰が遭遇する可能性があるかということを従業員に適切に教育しています。

緊急時への対策

Steelcaseでは、潜在的な緊急事態やイベントを特定および評価し、緊急時の報告、従業員への通知と避難手順、労働者のトレーニング、適切な火災検知と消火設備、すべての施設の適切な出口と避難手段、緊急時の復旧計画など、緊急時の計画および対応手順を策定しています。

衛生、食品、住宅

Steelcaseは清潔なトイレ、飲料水、適応する場合は衛生的な調理施設および飲食施設を提供しています。Steelcaseが従業員に寮を提供している場所においては、寮は清潔かつ安全であり、適切な緊急避難出口、入浴またはシャワー用の温水、適切な暖房と空調設備、合理的な個人スペース、出入り口を提供しています。

Steelcase Inc.
グローバルの人権および労働権に関する方針
範囲:Steelcase Global
改訂日:2021年3月