テレワーク

「人間らしさ」溢れるこれからのオフィス

パンデミック収束後の世界では、チームや組織に活力を与える「価値観」は変わっているだろう。

lady sitting in lounge chaise

当ストーリーは、Steelcase 360シリーズ「距離を感じさせない工夫」のひとつです。

ジル・ダーク、ディレクター、ラーニング、リーダーシップ、人材トランスフォーメーション、Steelcase

犬が吠え、子供たちが騒ぎ、旦那がキッチンにいるから自分は地下室で仕事をするしかない辛い現実を私たちは経験している。しかし、その現実を受けとめ、前進する勇気こそが必要である。

先日、CEOとビデオ通話をしていると犬が突然吠え始めた。これが普通の状況だったら私はイライラしたはずである。しかし、この危機的状況の中では、各々が直面している厳しい現実を改めてお互いに確認し合い、人生について考える絶好の機会にもなった。

オフィスにおいても離れた場所においても、自由にありのままの自分をだせることは、職場でのウェルビーイングには重要な一要素であると私たちは啓蒙してきた。しかし、現実はどうだろう。職場では多くの人が他人の顔色をうかがって本来の自分を出さないようにしていないだろうか。だから家に帰れば服を着替えるし、職場での会話を馬鹿にしたりもする。メールでは丁寧な自分を演じ、周りからこう見られたいというように振る舞ってしまう。

しかし、今の状況を見て欲しい。赤ん坊を抱えながら電話をしたり、ビデオ会議中に旦那が背後を通ったり、リビングや子供部屋が画面に写ったり。そこにあるのは今までとは違う新たな日常である。

人間はそれぞれの価値観によって行動をし、価値観は長年の経験の蓄積で決まる。しかし、現在、多くの人にとって、働く上での価値観が崩れ始めている。それをきちんと理解し、自分を順応させていかなければならない。まずは、働くスタイルとその価値観を変化させることかもしれない。

では、どうすれがいいのだろうか? 私は業務上世界中の人とつながっている。それを生かして家の壁に付箋を貼り、パンデミックが人間の生活や仕事にどんな影響を与えているかを記録し続けている。そして、今、そのパターンの識別を始めたところだ。

新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、私は、職場に「人間らしさ」をもたらすまでの道筋を下記の3段階に特定してみた。

「破壊」

混乱の最中、仕事や働く上で確立してきた企業システムや価値観が壊れてきたことに、人々は気づき始めたはずだ。自宅の一室に折りたたみ式テーブルを置いてビデオ通話に参加してもこのコンテンツを今までのように映し出すこともできない。ビデオ会議中に同僚の背後で愛らしい5歳の息子が踊る姿が目に入ってしまう。混乱はある意味こういった人間らしい一面を浮き彫りにした。視点を変えれば、仕事での自分という鎧を脱いだ相手のプライベートな世界を垣間見る良い機会なのかもしれない。

「実験」

現在の混乱は、人間を強制的に新たなことを実験せざるを得ない状況に落とし入れ、その実験が新たな経験や価値観をもたらすことになる。何かにぶつかった際に新たなルートを見つけようとするのと同じで、人間は自分たちをナビゲートする最善の道を探そうとするものだ。最初は多くの迷いや試行錯誤の連続だろう。そして、この段階では人間らしさを改めて確認し、本来の自分に気づくことが重要である。

「新たな価値観」

世界中がパンデミックの影響を受けている中、仕事の上での価値観がどう変わるのかを今の段階では誰も分かっていないはずだ。しかし、パンデミック収束後には、私たちは現在蓄積している十分な経験をもとに新たな価値観に基づいて、今までと違う企業活動や行動様式を取り始めるだろう。真実を突きつけられた時に常に思うのは、私たち人類が共通して持つ「人間らしさ」に対する敬意なのだ。

段階ごとに人のニーズも異なるが、上記3つの全ての段階に共通するニーズがある。それは心理面でのウェルビーイングである。

危機の際のウェルビーイング

この危機的状況の中、心身共にウェルビーイングを維持し、高めるにはどうすればいいのだろうか。以下は当社がテレワーク導入の際に人とのつながりを維持するために実施した方策である。最初のステップのひとつは、全社レベルで日課を設定することだった。以下はその詳細である:

  • 日課としての習慣をつくる。 ライブ配信や録画動画配信でシンプルかつ簡単な朝の瞑想時間を設定する。
  • 経営トップや上司が支援する。 経営トップや上司が支援する。日課としての習慣は、経営トップであるCEOが先導し、従業員の行動や意識の改革を確実に進めるようにする。それには、まずはトップや上司自らが率先して実践することである。
  • 自分らしさを見せる。 私は朝、仕事を始める前の7:30にキッチンスペースに座ってライブ配信をしている。直接会った場合はもちろん違うだろうが、こうしてありのままの自分の姿を見せながら参加してもいいと相手に感じてもらうことが大事である。
  • 匿名性を検討する。 自宅でのビデオ通話はプライベートを露出することから、人によってはかなりのストレスになる。そこで「プッシュ戦略」で日課を促すことにした。ライブ配信に加え、録画配信もするというものだ。この日課がストレスになったり、不快感を与えないように、投稿は匿名性でどんな方法でも参加できるよう検討する。
  • 海外に分散する同僚のことも考える。 アメリカの早朝はヨーロッパの夕方/夜、アジアではその翌日になる。世界中のチームメンバーがいつでもどこからでも参加できるように録画動画を選択した。この日課をこなす時間はその人次第。要は日課が日常の習慣として根づくことが重要である。

日課としての短いガイド付きマインドフルネス瞑想は、困難に直面した際に本来の自分とつながるひとつの方法でもある。危機的状況の中、普段の習慣ができないことへのストレスは大きい。そして、職場での顔というガードを降ろして果たして心地よく感じるかどうかも人によっても異なるし、その方法も違う。しかし、こういった今までにない経験から新たな行動や意識は生まれていくものだ。そして、間違いなく人間同士の障壁が外され、職場でありのままの自分でいられる心地よさを以前より感じるのではないかと私たちは考える。

誰にでも簡単にできる瞑想の手順をここに紹介しよう。

  1. 座って瞑想できる静かで快適な場所を見つける。
  2. イスに座って行う場合は足裏全体を床にしっかりとつける。あぐらをかく場合は、楽に両足を組む。
  3. 力を入れずに背骨を真っ直ぐにし、首や頭をスッと伸ばす。
  4. 上腕は真っ直ぐに下ろし、手のひらは太腿に軽く乗せる。
  5. 目は閉じる必要はないが視線は下に向ける。また、目の前のものに視線を合わせないようにする。
  6. 呼吸が鼻や口を通過するときの身体の感覚を意識し、腹式呼吸で息をする。
  7. 吸う、吐くという呼吸を意識し、心を整える。雑念が沸く時はゆっくりと意識を呼吸に戻す。
  8. 特定の雑念に反応せずにそれを客観的に観察してみよう。することはただ座って意識に集中すること。雑念が邪魔になる場合には常に意識を呼吸に戻す。
  9. 最後に視線を少し持ち上げ(目を閉じている場合は目を開け)、周囲の音、身体の感覚、浮かぶ考えや感情に意識を向けしっかり感じてみよう。

Source: Mindful


jill dark headshot

ジル・ダークは未来予想家。人間に秘められた潜在能力を解き放ち、個人、チーム、組織が未来に向けて前進できる環境づくりを研究している。Steelcaseでは学習や効果的リーダーシップ、人材トランスフォーメーションの分野を先導している。


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