ラーニング

RichlandカレッジのSteelcase LearnLab™

この実現のために、同大学はSteelcaseを訪問し、LearnLabを体感し、革新的な教室デザインの可能性に魅了されました。これからの先端的な学習戦略をさらに推進するには、この研究調査に基づいた家具とテクノロジーが統合された教室スペースが重要なツールになることを改めて確信しました。

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STEELCASE LEARNLAB™がRICHLANDカレッジの21世紀型学習を形成

「まず、環境をカタチづくること。そうするとその環境が人間の行動や意識をカタチづくる。」

ダラス地域の7つのコミュニティカレッジの中でも最も規模が大きなRichlandカレッジは、2008年に6つのSteelcase LearnLab(ラーン・ラボ)を導入しました。それ以来、Steelcase LearnLabは学生への画期的な指導方法をサポートする最も機能する学習環境として実証されつづけています。

1972年創立の同大学は高等教育の先端を行くリーダー的存在として、画期的な学習方法を通してのイノベーションの重要性を強く認識しています。そして、2005年にはコミュニティカレッジでは初の名誉あるMalcom Baldrige National Qualityアワードを受賞、その後、Texasアワードのパフォーマンスエクセレンス賞も授与されました。今日、投資の成果が教育的価値につながるよう、カレッジの学部や管理部門が一体となり、この成功の継続に力を注いでいます。

約2万人もの学生と大学へと進学する5千人もの学生は、国籍もさまざまで、79以上ものもの母国語を話す多様性を持っています。

最新型学習方法でのイノベーションの加速を意識

「現代の学生は明確な目的を持って授業に参加しています。将来、社会に出たり、4年生大学に行くなど様々な選択肢の中で、最善の学び方は何かを模索しています。」と同カレッジの校長であるJanet James氏は語っています。

この実現のために、同大学はSteelcaseを訪問し、LearnLabを体感し、革新的な教室デザインの可能性に魅了されました。これからの先端的な学習戦略をさらに推進するには、この研究調査に基づいた家具とテクノロジーが統合された教室スペースが重要なツールになることを改めて確信しました。


4つのコンセプト:

  • 三角形型教室は誰もが視界を同じく持て、コンテンツ表示の平等化を可能にする。
  • 縦のスペースを活用することで情報の保持や表示の最大化を目指す。
  • 学習モード間をシームレスに移行出来ることで学生の認知フローを保持できる。
  • 中央にドアを設けた四角の部屋はコーナースペースをうまく活用できる。
Steelcase Education
三角形型レイアウトが特長のLearnLab

Steelcase製品を使用した独自のレイアウトが特長のLearnLabは柔軟性が高く、テクノロジーの積極的な活用を考慮した従来とは全く異なる教室です。黒板がある壇上に向けて机が並ぶレイアウトではなく、テーブルとチェアをX型レイアウトに配置することで、部屋に正面をつくらないような工夫がされています。

電子メディアボードを意図的にコーナーに設置することで、誰もが公平に視界を保つことができます。また、ウォールトラック上の可動式Huddleboard(はドルボード)ホワイトボードはグループワークを視覚化し、表示し、情報を保持することに役立ちます。このように空間を適切にアレンジ出来ることで、教員は教室を自由に動きまわり、個々の学習の状態を把握し、よりきめ細やかな指導が可能になります。

Richland College LearnLab
LearnLab環境ではグループワークを高めるHuddleboardのようなコラボレーションツールが活躍します。

SteelcaseのラーニングセンターではLearnLabの研究に着手し、下記の4つのコンセプトをベースにスペースデザインや家具の配置を提案しています。

まずは、スペースを幾何学的にレイアウトすること。例えば、プロジェクションを三角形に配置することで、部屋にいるすべての人が同じ条件でコンテンツにアクセスでき、視界が広がることで学生同士の交流も容易になります。また、複数のステージを設けることで教員と学生の間のヒエラルキーを排除し、より活発な交流ができます。

  • 次は、縦のスペースを上手く活用すること。情報の表示を最大限に拡大するように縦の空間を利用することで情報を保持しやすくなります。
  • そして、シームレスな移行を可能にすること。これからの授業には、学生の認知機能を活性化するために講義やグループワークなど複数の活動が要求されます。そうするとその間の移行をよりシームレスに容易にすることが必要になります。
  • 最後に、部屋の中央にドアを配した四角い部屋にすることで、コーナースペースを有効活用できます。

“LearnLabは21世紀の学生たちに21世紀型の学習方法を提供しているという意味で、現代に適した最上の授業空間を提案しています。”

Dr. Gary G. JohnProfessor, Coordinator EDUC 1300

解決策

「LearnLabでは学習を授業の中核に置き、動きながら共同学習をするという手法に重きを置いています。学生は2人から3人、そして大人数でというように動きながら、カタチを変え、学習することになります。部屋には従来のように、正面というものがなく、アレンジが柔軟に変わるという特長があります。」とJamesは言います。

「LearnLabは21世紀の学生たちに、21世紀型の学習方法を提供しているという意味で、現代に適した最上の授業空間を提案しています。」と大学教授であり、EDUC 1200インストラクションのコーディネーターでもあるGary G. John教授は述べています。

Richland College LearnLab
LearnLab中に配置されたHuddleboardホワイトボードは情報を保持し、学習を強化します。

RichlandカレッジのLearnLabは優れた指導と学習のためのスペースとして実証されていることから、多くの大学の教授や学生たちがその採用を熱望しています。LearnLabの効果を最大限に引き出すには、まず、教授たちが共同学習手法やテクノロジーの活用法に関するトレーニングを受けなればなりません。

「まずは教授たちがLearnLabの全貌を理解し、それに慣れることが重要です。」

同大学の教授陣はこのトレーニングと実体験の結果、LearnLabでテクノロジー駆動型の指導に慣れていくことになります。「資料、動画、パワポのプレゼンをそれぞれに表示した3つの表示画面を活用したダイナミックな授業方法で学生を引きつけることで、彼らの理解力は大幅に向上します。」とRon Stout教授は述べています。

これらのテクノロジー駆動型教室の付随的効果として、配布する資料が少なくなることで環境にもよく、コスト削減にも貢献することが挙げられます。ある教授は小テストのための時間制限として画面が暗くなるように設定し、その結果、学生は短い時間に完全に内容を理解しなければ、時間通りにテストが終わらなくなります。

LearnLabにとって、テクノロジーは不可欠な一方、チーム作業には必ず登場するのがローテクのHuddleboardホワイトボードです。

「Huddleboardホワイトボードはローテクのノートパソコンみたいなものです。どこにでも運べて、情報を表示できるのです。レールにボードを掛けるだけで、グループでの共同学習が即座に始まるという、このシンプルなコンセプトがぴったり機能します。」とGreg Gross教授は語っています。

Uno チェアとAkira tables テーブルも同大学のLearnLabには欠かせない家具です。可動性の高いこれらの家具ではチーム作業のためにX型レイアウトから、プレゼン用のスクエア型レイアウトに変更することも容易です。

「従来の教室のように教授が机を自ら動かさなくても、LearnLabではレイアウト変更も簡単です。そして、背もたれチェアも快適で、身体がリラックスすると集中力も増します。」

調査によると、LearnLab教室は51の属性において、従来の教室を上回る結果を出しています。

結果

現在、同大学では毎学期、35人の学部教授によって110のコースがある中で、12クラスがLearnLab教室で授業を行っています。明らかにアクティブラーニングをサポートしていることが実証されています。

2011年には同大学とSteelcase Education Solutionsは共同で、約800人の学生を対象に定量調査を実施しました。これは従来の机とイスが並んだ教室での授業を経験した学生とLearnLabでの学生を比較するというものでした。対象学生はコースに参加したばかりの新入生で、授業のサイズも同じで、教授陣もLearnLabで教える前にミネソタ大学で共同学習の認定を取得したものばかりで、環境、デザイン、人間的側面の3つのカテゴリーで測定されました。

Richland College LearnLab
LearnLabはコラボレーション学習のために開発された学習スペースで、教員と学生同士のグループ学習と教員が学生のガイド役としての指導を可能にします。

アイコンタクトのし易さや教員と学生のコミュニケーションを容易にするという観点から、全体の環境要素(家具、設備、快適さ)やデザイン性(フォルム、スペースのサイズ、配色)を比較しても、従来の教室より、LearnLabを好んでいるという調査結果がでています。

確率的には授業の教室としてLearnLabのスペースデザイン属性を好む人が多いのがわかります。主要な属性は下記になります:

  • 部屋のカタチ(より四角い)や家具(三角形型配置、回転チェア、ハドルボード)はチームベースの学習作業の際の学生同士の共創造やコミュニケーションをサポートしている。
  • ユニークな家具配置(X型配置のテーブル)は快適性とひとつの指導モードから次のモードへの移行やレイアウトの再編成のし易さを特長とする。
  • テクノロジー(双方向型ホワイトボードや3方向スクリーン)関連の扱いも簡単で、誰でもが容易に素早く設置できる。
  • レイアウトは学習する上で刺激的で、多くの学習モードをサポートし、学生の学習体験を向上させる。

「LearnLabでの授業は必ずしも授業に参加する唯一の要因ではないですが、少なくとも主要な理由のひとつであることは間違いありません。LearnLabでは学習意欲が増し、学生同士が活発に交流できます。」とある学生は語っています。

学部ではできるだけLearnLab教室で授業をするよう指導しています。「LearnLabは全体の学習プロセスを活性化していきます。」とGross氏は述べています。

「LearnLab教室では授業の冒頭から一体感を感じます。ある学生は私に今まで最高の学習体験だったと言いました。例えば、国や宗教、教育など全く異なるバックグラウンドを持った人が集まる国連のように、学生も様々で従来の教室ではお互いに話すこともない中、LearnLab教室はそれを可能にしたのです。」

異なるバックグラウンドや経験、能力を持つ学生が同じ教室に集えば、様々なことが学習そのものに影響を与えます。Richlandカレッジなどに代表される進歩的な教育機関では、21世紀の学生たちのために、従来とは異なる指導や学習方法をサポートする理想的な学習環境として、LeanLab教室を高く評価しています。


協力団体

Steelcase Education
Richard College
BKM Total Office of Texas LLC

2012

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