イノベーション

刷新されたThink

すべての成功したイノベーションの裏にはそれが改良版であろうとまったく新しい発明であろうと、そこには常にまた別のイノベーションが隠されています。いずれにせよ、イノベーションはユーザーの問題を解決し、新しい選択肢を提供することにつきます。このことはデザイナーの第二の天性からわき起こるものです。

「デザイナーはデザインのことを考えています。」と語るのは Steelcase のグローバルデザイン部長であるBruce Smith 氏。「私たちは体験がいかによくなるかを考えている うしろめたさが常にあります。何故なら、素晴らしいもので もどこかに改善の余地があると見ているからです。ですか ら見るものすべてをこれでいいのかと評価し、常に改善す る機会をねらっているといってもいいかもしれません。その ことがデザインが生活にもたらす価値であると信じている わけです。」

360 Magazine - Issue #66

デザイン思考のこの根深い習慣からいつもチームはまずこう 質問することから始まります。「Think はさらにいいものに なるだろうか?」、この質問は2004 年にデザイナーの Oliver Loew との共同デザインで発売された直後のことで す。

「さらに洗練され、エレガントに生まれ変わりました。イノベーションとインテリジェンスを備え、さらに質の高いものへと仕上げました。」

発売後まもなく、Think チェアはその刺激的で画期的なイ ノベーションが高く賞賛され、Steelcase の製品の中でも 世界的に成功をし、最初の Cradle to Cradle( ゆりかごか らゆりかごへ)の製品として認定され、業界を超えてその 高いサステナビリティ標準を築くこと になりました。こういう状況でも常に デザイナーはその先を考え、 Steelcase Design チームはエンジニ アリングとマーケティングチームと恊 働しながら、その改善点を継続して探 していたのです。このプロセスはSteelcase の製品開発プ ロセスではよくあることです。

「時間が経過し、何が適していて、意味があり、適切な改 善なのかという私たちの感覚も2004 年以降大きく変化を したのです。ワーカーのモバイル化は加速し、Think は今 ではあらゆる状況で使用されるようになりました。そしてオ フィス家具へのユーザーの期待も大きくなるばかりでした。 またその間に新しい素材や金型のテクノロジーの進化や機 能の向上も学んでいったのです。私たちはあれから8 年も の歳月をかけて、企業としてさらに革新性を高め、これら のすべてが途方もない機会をつくったのです。」

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デザイン思考はまずはユーザーを理解することにつきるの です。それは世界全体の数十万というThink のユーザーか らのフィードバックが貴重な意見をもたらしたのです。何が いいところで、何が改善点かというような多くの意見がデザ インチームに寄せられ、チームは改善の余地があることを 確信していったのです。

その後、約2 年前にチームはThink のデザイナーである Oliver Loew 氏とアイディアを生み出し、可能性を分析し、 ラピッドプロトタイプをつくりあげ、新しいThink のコンセ プトを具現化し、テストしてみました。

Steelcase は最近になってこの大規模なデザイン改良の努 力の結果を公表しました。新たに刷新されたThink チェア はその独特な外見は残しつつ、より高性能、より洗練された、 よりスマートな製品としてパッケージされて生まれ変わりま した。改良されなかった部分はなんとキャスターだけです。

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おそらく最も目に見えて顕著な変化はその背もたれです。 20 ものフレクサーの変わりに、新しいThink は独特な形 状をした15 のフレクサーが互いに繋がりあい、新たな Liveback®を搭載し、今までにない究極の快適さを提供 しています。背もたれ全体はフレーム、繋がったフレクサー、 そしてデュアルエネルギーランバーという3 つのパートに分 かれ、互いに連動しながら動く賢い人間工学サポートシステ ムを実現したのです。

「私たちは必要な場所にサポートを、必要な時に自由度を与 える関係をつくりあげました。それは個性を持つ性能を搭 載した独自のソリューションです。」とSmith 氏は語ってい ます。

もう一つ注目すべき点は性能が向上したことで、体重感知機構の機能が増し、リクライニングの際により快適なサポート、そして座クッションの改善により心地よさが増したことです。

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それほど重要でないものも含めれば多くの改善点がありました。例えば、ステンレススチールは洗練さにアクセントを加え、調節は今までよりさらに統合され、使用も簡単になりました。背もたれと座面のエッジも手触りがよく、背もたれの高さは少し高くなり、先に行くほど細くなり、アームのデザインはより頑丈になっています。

新しいThink は今までより分解の速度が速く、簡単に再生 できるようにより少ない部品を使用しています。サステナビ リティでさらに重要な点はその改善された耐久性、多様性、 そして個人のデスクから会議室やトレーニングルームなどの グループワークセッティングまでさまざまなセッティングの 中で長く使用できるタイムレスな魅力ポイントがあるところ です。

「2004 年のThink がまだ10 代の若者の頃に偉大な機能 でその地位を約束され、今、その若者が洗練されたエレガ ントな大人に成長し、イノベーションとインテリジェンスを 備えたさらに質の高いものへ生まれ変わったのです。」と Smith 氏は言います。

この再導入はあくまでも通過点に過ぎません。チームの Think のデザインの見直しは今しばらくは停止するでしょ う。

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