アクティブラーニング

新しいラーニングカーブ

アクティブラーニングをどのように
教員に定着させるか

教室では、なぜ依然として、教員が講義をするという一方的で受け身型の学習が行われているのだろうか?

15-0006156.
Lennie Scott-Webber, 博士、
Steelcase Educationの教育環境担当ディレクター

何十年にもわたり、数えきれないほど多くの教室の実情を目の当たりにし、教室の多くは時代の変化から立ち後れていることを痛感しているひとりです。現在、さまざまな活動を通して、人びとが環境から生まれる行動を理解し、新しい教授法や学習法を真にサポートする教室を創り出すことができるような環境を整備することに情熱を注いでいます。 lscottwe@steelcase.com

私は教育者であり研究者として現状を見たときに、アクティブラーニングが普及しないのには教員自身がこの大きな変化に躊躇していることも起因しているのではないかと感じている。教員は新たな法律や基準、授業への期待や要求など変化の嵐に曝される中にあっても、柔軟性と適応性を持ちながらその変化に適合できると私は信じている。

過度な負担を負わされているため、多くの教員がアクティブラーニングに慎重になるのは当然である。しかし、アクティブラーニングがある意味で形勢を一変させる可能性を秘めた方法であるとしたら、教員がそれを採用しやすくするには何ができるだろうか。そして、この取り組みにおいて学習スペースはどうあるべきだろうか?

私はその答えをサイモン・フレーザ大学の教育大学院と同じような教員のための学校をブリティッシュコロンビア州バーナビーで見つけた。

同校の学部長であるKris Magnusson博士は「大学やカレッジは大学における最初の典型的な2年間の調査とその授業の再検討をすべきです。それらの授業は学生をふるいにかける講座とも考えられ、通常そうした講座は座席が階段状になった演壇とスクリーンがある大きな講堂で行われ、そこでは講義という1つの学習モードに限定されているのが現状です。授業は極めて退屈で、こうした授業が効果的に実施されるには、今までのやり方を改め、教室を狭くし、より活発な交流と議論が行われるようにしなければならないでしょう。」と語っている。

「学生をそこでふるいにかけるというよりは学生をいかに授業に引きつけるかを考えたほうがいいでしょう。そして、教材もそれが使われる環境も、学生の注意力をひきつけ、学習に邁進させるように考えられるべきです。授業で学生を引きつけることで、学生はより深く、より多くのことを学ぶことができるのですから。」

最初の2年は多数の学生を管理するためのコストを節約するために、授業は通常大きな講堂で行われることが多い。その代替えとしてMagnusson博士が提案するひとつは「ブレンド学習」だ。「講演のような講義は本来悪いアプローチではないが、あくまでもそれは手法のひとつに過ぎない。つまり、ソーシャルメディア、ウェブ、双方向的な体験をもっと活用して、よりパワフルなコンテンツを紹介し、その後に個人的な体験ができるように考えるべきです。」と述べている。

広い空間でも、もちろん、アクティブラーニングは可能である。「アクティブラーニングは、学生が習得しようとしている知識に対する学習意欲を強化できる学習法です。だからこそ、物理的空間が重要になるのです。家具が固定され、柔軟性がない場合、1つの学習モードには適していても、他のモードには役にたちません。移動可能でかつ快適な家具は、学生同士の議論を活性化し、他者と活発に交わることで小グループでも快適に学習を遂行することができるのです。」


Kris Magnusson博士の提案の概要:

  • アクティブラーニングの新たな価値をつくりだす強力なパワーを信じる。
  • 教員に対して、アクティブラーニングの採用を奨励し、柔軟性の高いトレーニングを行う。
  • 学生に対して明確なメッセージを持つスペースを提供する。例えば、イスが整然と並んでいるだけでなく、可動式家具を使って、ステージは皆で共有されるものであること、また、教室は学生が活発に意欲を持って、自らの意志で学習する「場」であることをスペースを通して伝える。
  • 固定式家具を可動式に変え、学生が自由にスペースを移動し、つながり、そしてコラボレーションできるようにする。
  • テクノロジーを活用して、授業のウェブバージョンを制作する。そして、講義を学期の「基調講演」と位置づける。
  • 学期を小グループによる議論、休憩、グループプロジェクトで区切る。

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